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知ってるつもり 無知の科学
スティーブン・スローマン (著),フィリップ・ファーンバック (著),土方 奈美 (訳)
税込価格:2,052円
出版社:早川書房
ISBN:978-4-15-209757-6


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先日、「ハリセンボンの近藤春菜さんが森三中ら先輩女性芸人たちの反感を買っている」という主旨のネットニュースが拡散。その後すぐに森三中・大島さんの夫・鈴木おさむさんがブログで「こんなことはまったくない」と指摘し、話題となりました。
こうしたフェイクニュースは後を絶たず、今回のように事実を知る人の指摘がない限り、ウソが事実として流布し続けているのが現状です。
なぜ人はフェイクニュースを信じてしまうのか。本書はこの問いに対するひとつの答えを提示してくれています。
2人の著者は共に認知科学者。さまざまな研究を基に人間が自分で思っているより無知であると指摘。人間はみな多かれ少なかれ、実際にはわずかな理解しかしていないのに物事のしくみを理解しているという錯覚を抱くのだといいます。
それは人間を取り巻く世界が複雑で全ての理解は不可能だから。そのため人間の知性は意識決定に役立つ情報だけを抽出するように進化してきた、と著者は説きます。
フェイクニュースの拡散はやむを得ないという諦めと、人間の不完全さに愛おしさを覚える一冊です。

(評者:スタッフH)
(2018/4/19 UPDATE)

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