書考空間


文豪の凄い語彙力
山口 謠司 (著)
税込価格:1,620円
出版社:さくら舎
ISBN:978-4-86581-143-8

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先日、友人らと食事をしていて、供された料理の美味しさを表現する言葉を「うまい」しか持ち合わせておらず、自身らの語彙のなさを嘆いた…、ということがありました。
「美味しい」や「うまい」という言葉を使わずに、いかに口にした一品が「美味しい」かを表現するのはなかなか至難の技。
それはおそらく、文章を書くことにおいても同じ。
今日から使ってみたい言葉、知っているけど意外な意味のある言葉など、読んで楽しい日本語の数々を文豪の例文入りで、用法とともに紹介する本書。
芥川龍之介の「的皪(てきれき)たる花」、内田百里痢崟乎(なまなか)手に入ると」、小沼丹の「耄碌(もうろく)していた」、吉川英治の「秀雅な山」など、実際にどれもいつかは使ってみたい言葉ばかりです。
幸田文が『流れる』で用いた「糖衣」。「糖衣を脱いだ地声になっていた」と作中にはあるのですが、「糖衣」とは「甘ったるい衣をかぶせて本性を隠してしまう」意味があります。「オブラートに包む」という表現は多くの人がマスターしていることでしょうが、いつか「糖衣」という言葉を使ってみたいもの。

「語彙が豊富」と言いますが、これは「身につけた語彙を嫌味なく使いこなせること」という条件も案に含まれているような気がします。
ぜひ使ってみたい言葉が豊富に紹介されていますが、使いこなせるようになるにはそれなりの鍛錬が必要です。有限なのに無限の広がりを持ち合わせている言葉への、さらなる知識欲を刺激してくれる一冊です。

スタッフ坂本
(2018/4/23 UPDATE)

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