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番組スタッフ
昨日、ネット上で大きな話題となった、こちらのまとめ。

【国際信州学院大学】うどん屋で無断キャンセル発生!50人分の食事が…(Togetter)

発端となったのは、長野県安曇野市の穂高にあるという、うどんや「蛞蝓亭」の以下のツイート。
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無断キャンセルに合いました。
50人で貸切の予約で、料理を準備してお待ちしてましたが、予約時間過ぎても見えず、此方から電話するとキャンセルとの返事。
キャンセル料を請求したら、そんな説明は受けていないと逆ギレ。
国際信州学院大学の教職員の皆さん、二度と来ないでください。
#拡散希望
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まとめでは、無断キャンセルを憤るコメントが並んでいるのですが、そもそも、無断キャンセルをしたと名指しされている「国際信州学院大学」だけでなく、無断キャンセルをされたと訴えている「うどんや 蛞蝓亭」もこの世には存在しないのです。

無断キャンセルした大学職員にうどん店「二度と来ないで」と激怒→実は架空の大学でツイート自体も壮大な釣りだと話題に(「ねとらぼ」2018/5/4)

上記の記事によると、「国際信州学院大学」が生まれたきっかけは、今年1月、「受験シーズンだし安価で架空の大学を作って受験生釣ろうぜ」という5ちゃんねるのスレッドが立てられたこと。

その後、公式サイトや公式Twitterはもちろん、マスコットキャラクター「フラッパー君」、うどん店「蛞蝓亭」を含む周辺店舗といった世界観を詳細に作り込み、国際信州学院大学があたかも実在すると思い込ませる仕掛けが施されていったといいます。

国際信州学院大学のWebサイトも作り込みがすごくて、それがこちら

「受験生の方へ」「生活・就職」「本学の歴史」など、大学の公式サイトによくある文言が並び、それぞれをクリックした先の文章も作り込んであります。

さらに、大学からのお知らせと思われる「本学が架空であるというインターネット上の情報について」をクリックすると、こちらもいかにもありそうな注意喚起文が添えられています。
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最近、インターネット上に本学が架空の大学であるかのように言及する情報が増えています。これは本学の公式見解ではありませんので、お気をつけください。

また、Naverまとめといったキュレーションサイトや一部の匿名掲示板上で本学を架空の大学だという設定で、本学に関する情報を流布している巧妙な記事が散見されます。まとめサイトでも同様の記事が見受けられます。本学としてはしかるべき対応を検討しております。

これらの情報を鵜呑みにした善意のつもりの第三者やメディアがそのような情報に訂正・拡散するケースも確認されております。

インターネット上には虚構情報も多くあります。架空の情報に騙されないようご注意ください。

国際信州学院大学 広報課
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しかも、「大学生協のブログ」や「大学の公式Twitter」、「大学の図書館Twitter」、「大学の相撲部のTwitter」、「大学の教授と名乗る人物のTwitter」もあり、各Twitterの投稿は頻繁。

国際信州学院大学生協
【公式】国際信州学院大学 キャリアセンター
国際信州学院大図書館
国際信州学院大学 相撲部
国際信州学院大学教授 上杉吾朗

さらにTwitterから派生した情報まで作り込んでいて、それには感心すらします。

たとえば、大学公式Twitterの以下の投稿。
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【CLOSE UP KOKUSHIN】国信大卒業生のWork & Life を紹介します。
「色々な方と出会えるのが不思議で楽しい」法学部を卒業し、軽トラック1台から一代で立ち上げた株式会社ハッピーハッピー運輸の代表取締役、現在では地域に根付いた活動をされている元村優子さんからのメッセージです。
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この投稿に登場する元村優子さんは、個人のTwitterアカウントだけでなく、代表取締役を務めるという会社のWebサイトまで存在しているという手の凝りよう。

元村優子(@GdXEAuyxPwNupUK) ※一時的に制限され、現在は閲覧できない状態
ハッピーハッピー運輸Webサイト

このように基本的に世界観の作り込み方は異常で、あるTwitterユーザーによると、「去年国際信州学院大学を受けて落ちて、今は全く大学とは無関係なことだけをつぶやいてるTwitterアカウント」も存在するのだといいます。

今回、嘘だらけであることが広く知られることになった、国際信州学院大学とその周辺。
しかし、発端となった、うどんや「蛞蝓亭」のツイートの嘘を見抜けた人はどれだけいたでしょうか。

私も初見では、「また無断キャンセルか」という印象を抱いただけで、自力で嘘を見抜くことはできませんでした。
気付いたのは、その後のTwitterユーザーの指摘で、かなり遅いほうです。

今回の件で個人のネットリテラシーを指摘する声を多く目にします。ただ、私は個人のネットリテラシーには限界があると思うのです。

『知ってるつもり 無知の科学』(早川書房)には、こんな指摘があります。
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知能は特定の個人ではなく、コミュニティの中に存在する。
このためコミュニティの知恵を引き出す意思決定の手続きは、比較的無知な個人の力に頼るものより優れた結果をもたらす可能性が高い。
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今回のように嘘というかいたずらの手口が巧妙化する中、重要なのは、個人のネットリテラシーを高めることには限界があることを認め、集団で嘘を指摘し合う、集団のネットリテラシーにある程度、頼るという姿勢なのではないでしょうか。

(スタッフH)
(2018/5/15 UPDATE)

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