書考空間



友情の哲学 緩いつながりの思想
藤野寛 (著)
税込価格:1,944円
出版社:作品社
ISBN:978-4-86182-692-4


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私はSNSでは基本、誰ともつながっていませんし、実生活においても友達だと自信をもって言える人は限られていて、ごく少数しかしません。
そんな私がなぜ本書を手に取ったのかというと、プロローグで示される考えに共感したから。
「友情について書かれたものを読むと、概して、あまり愉しい気分にはならないとしたものではないか。読み進むにつれて『自分には友達なんか(ほとんど)いない』という事実に気づかされ、どんどん暗い気持ちに落ち込んでゆく」
著者はこうした考えを出発点に、アリストテレス、フーコーといった哲学者の言葉を借りながら、「『友達がいない』ことと『幸福である』ことは両立するのか」「男と女の間にも友情は可能か」「友達は多ければ多いほどよいのか」といった問いの答えを模索していきます。
私が激しく共感したのは「友達は多ければ多いほどよいのか」に対する答え。
「友達関係には人の『取替えのきかなさ』『かけがえのなさ』という側面が関わっているということだろう。(略)友達がたくさんいる人、というのは、ちょっと怪しい人だ。『たくさん友達を作りましょう』というメッセージがどこか胡散臭いのは、そういうこととも関係しているはずだ」
これまでになんとなく友達が多いと公言する人に疑念を抱いていましたが、その疑念を確信へと変えてくれる一冊です。

(スタッフH)
(2018/6/6 UPDATE)

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