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愛と執着の社会学 ペット・家畜・えづけ、そして生徒・愛人・夫婦
ましこ ひでのり (著)
税込価格:1,785円
出版社:三元社
ISBN:978-4-88303-341-6


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愛着と執着をキーワードに「動物としてのヒト」という本質を社会学的に解剖した本書。
ヒトはなぜ愛したがるのか。そもそもその“愛している”は錯覚なのではないか…。
本書のサブタイトルには「ペット・家畜・えづけ、そして生徒・愛人・夫婦」とあります。「ペット・家畜・えづけ」と「生徒・愛人・夫婦」が並んでいることに違和感を覚える人もいるかもしれません。
しかし、これらの言葉に共通するものこそ、愛と執着。なぜ私たちはペットを愛するのか。ペットの前身とも言える家畜と私たちの関係性とは。なぜ私たちは、えづけ、あるいは調教という行為で支配者になろうとするのか。教育にも調教という行為があるのではないか…。というように、それぞれの言葉がつながっていくことで、社会学的に見た「愛着と執着」がその姿を現していきます。
中でも私が興味を持ったのが、ストーカーに関する項目です。
東京三鷹で、高校三年生の女子生徒が、元交際相手の男に殺害された事件は記憶に
新しいところ。なぜ人はそこまで一人の人間に執着し、殺害を実行するまでになってしまうのでしょうか。
本書によると、ストーキングとはそもそも基本的に「愛している」という錯覚の病理だといいます。相手に迷惑がられている事を示す証拠を封印・歪曲し、すべて独善的・自慰的に合理化する自己中心性があります。
趣味嗜好が複雑化した現代社会において、おそらく、誰もが何かしら愛着や執着を持っていることだと思います。そんな現代人にうってつけの一冊です。

評者:スタッフ・坂本
(2013/10/30 UPDATE)

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