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火山入門 日本誕生から破局噴火まで (NHK出版新書)
島村 英紀 (著)
税込価格:799円
出版社:NHK出版
ISBN:978-4-14-088461-4


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噴火警戒レベルが2(火口周辺規制)に引き上げられている、人気観光スポットの箱根山。
学校で「死火山」だと習った覚えがあるので、このニュースが報じられたときは正直驚きました。
日本の火山は「活火山・休火山・死火山」に分類される。おぼろげにこう記憶していましたが、火山に関して今分かっていることを分かりやすく解説した本書によると、1979年の御嶽山の噴火がきっかけで火山学者や気象庁は「休火山」「死火山」という分類をやめてしまったのだといいます。
理由は、ある火山が「休火山」「死火山」であるかどうかを判定するのは学問的に不可能なためで、今は「活火山」か「そうではない火山」というあいまいな分類になっているようです。

学問的に不可能、これは火山の分類だけでなく、噴火警戒レベルにもあてはまります。
噴火警戒レベルは2007年から気象庁が採用して発表するようになった仕組み。著者によると、これはあてにならないのだといいます。
レベルの決め方は客観的でもなく、数値的な基準があるわけでもない。つまり、レベルを決めるための学問的な基準がないのです。
現在の噴火警戒レベルは経験と勘に頼ったものでしかないため、去年の御嶽山の噴火のように、予想できない噴火が起きることはこれからも十分に考えられる。
著者はこう警鐘を鳴らしたうえで、御嶽山、箱根山以外にも多数存在する“危ない火山”の名前を示してくれてもいます。
110もの活火山が存在する日本。そこに住む者として、読んでおきたい一冊です。

(評者:スタッフH)
(2015/5/20 UPDATE)

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