ビジネスマン、OLのネタ帳になるトピックを、毎日お届け!キャッチアップしておきたいトレンドをランキング形式で紹介しながら、毎日ひとつの話題にフォーカスしていきます。

第154回芥川賞・直木賞の候補作は?(2016/1/14)

カテゴリー:1113
null

木曜日は、「カルチャー」。


今日は、紀伊國屋書店
1月6日〜12日のベストセラーランキングをご紹介!



第5位『 リーダー論 』高橋みなみ(講談社AKB48新書)

第4位『 火花 』又吉直樹(文藝春秋)

第3位『 みんなの山本彩 』(ヨシモトブックス)

第2位『 真田丸(前編)−NHK大河ドラマ・ストーリー 』三谷幸喜(NHK出版)

第1位『 正義の法−憎しみを超えて、愛を取れ 』大川隆法(幸福の科学出版)


以上、紀伊國屋書店 1月6日〜12日のベストセラーランキングのトップ5でした。
さて、1月19日に第154回芥川賞・直木賞が発表されます。今日ご紹介したランキングの4位には、前回の芥川賞受賞作「火花」が入っていましたが、今日は書評家の杉江松恋さんに、今回の候補作について伺いました。


中西:まずは芥川賞ですが、前回は2作が同時受賞。そのうち1作がピースの又吉さんの作品ということで話題になりましたが、出版業界は活気を取り戻したのでしょうか?


杉江:そうですね。厳しいことを言うと“カンフル剤”的なものだったと言いますか…ヒットは「火花」のみということで、そこから読書人口が増えたという傾向は正直、あまりみられなかったと思いますね。


中西:今回の候補は6作品。全体的な傾向は何かありますか?


杉江:加藤秀行さん以外は複数回の候補経験があるということで、実力者揃いと言えると思いますね。


中西:今回が4回目の候補となる、劇団も主催する本谷有希子さんの作品「異類婚姻譚」が注目されていますね。


杉江:これまでの本谷さんの作品に比べると、受賞させやすいかな…という印象を受けますね。というのも、本谷さんは劇団を主宰されているということもあって、これまでは“キャラクター色”というか、本谷さんの色が強い作品が多かったんですが、こちらは比較的ストレートに小説を楽しめる作品になっていると思います。


中西:杉江さんが今回推したい作品はありますか?


杉江:私は上田岳弘さんの「異郷の友人」と、滝口悠生さんの「死んでいない者」が好みですね。これまでの作品が好きだったということもあるんですが、技巧的に面白いことをしている2作だな、と思いますね。


中西:直木賞候補の5作品についてはいかがですか?


杉江:こちらは今回、芥川賞以上に面白いことになっていまして、ノミネート数が最高でも青山文平さんの2回で、それ以外の4作はすべて女性作家で初候補なんです。しかも青山さんは、受賞されたら確か(年齢が)68になるかと思いますので、直木賞の最年長受賞者の可能性もあるんです。


中西:候補作に女性作家の方が多いことや初候補が多いことなど、社会的な背景もあるんでしょうか?


杉江:女性作家が元気だということはあると思うんですが、今回候補に挙がっている方々でいうと、柚月裕子さんと深緑野分さんは最近、ミステリーの方で高く評価されている方たちで、特に深緑野分さんはまだ新人で2作目ということもあって“新星”といった扱いを受けていらっしゃいますね。宮下奈都さんは主に書店など現場での評価が高く、これまで受賞歴はほとんどないんですが“無冠の女王”といった扱いを受けていて、ようやく注目された…という感じですね。


中西:杉江さんが注目するのはどの作品ですか?


杉江:はい。これは文章のレベルなど、実力でいうとやはり青山文平さんの「つまをめとらば」が群を抜いているかな、とは思いますね。


今日の杉江さんのお話を参考に、芥川賞・直木賞の発表前に、気になる1冊を手にしてみてはいかがでしょう?
今日は、紀伊國屋書店 1月6日〜12日のベストセラーランキングと、第154回芥川賞・直木賞候補作についてご紹介しました。