ビジネスマン、OLのネタ帳になるトピックを、毎日お届け!キャッチアップしておきたいトレンドをランキング形式で紹介しながら、毎日ひとつの話題にフォーカスしていきます。

週末にオススメの映画、ご紹介します!(2016/8/4)

カテゴリー:1113
null

木曜日は、「カルチャー」。


今日は先週末、7月30日(土)と31日(日)の全国映画動員ランキングトップ5をご紹介!



第5位『 ポケモン・ザ・ムービーXY&Z「ボルケニオンと機巧(からくり)の マギアナ」 』(公開3週目)

第4位『 ターザン:REBORN 』(公開1週目)

第3位『 ONE PIECE FILM GOLD 』(公開2週目)

第2位『 ファインディング・ドリー 』(公開3週目)

第1位『 シン・ゴジラ 』(公開1週目)


以上、先週末の全国映画動員ランキングトップ5でした。
ゴジラシリーズの29作目「シン・ゴジラ」。エヴァンゲリオンの庵野秀明さんが総監督・脚本をつとめた作品は高い評価が目立ち、観客動員数も初登場1位となっています。
そして、今日クローズアップするのは、パキスタンの伝統音楽を演奏する音楽家たちを追ったドキュメンタリー、8月13日(土)より公開の『 ソング・オブ・ラホール 』。


信徒が97%を超えるイスラム共和国でありながら、新興イスラム勢力に音楽を禁じられてしまったパキスタン。かつての芸術の都・ラホールで、何世紀にもわたり伝統音楽を受け継いできた演奏家たちは仕事を失いました。
そこで、母国の伝統音楽を現代の文脈の中で生き返らせようと、ロンドン在住のパキスタン人がスタジオを設立。その「サッチャル・スタジオ」を基盤に、演奏家たちは伝統楽器でジャズに挑戦を始めました。
やがてその映像は世界に広まり、ニューヨークでの共演に招かれます。しかし「サッチャル・ジャズ・アンサンブル」は、リハーサルで本場のジャズミュージシャンとかみ合わず、それでも本番の日はやってきて…というストーリーです。



パキスタンやインド、南西アジア文化を研究する中央大学総合政策学部の専任講師・村山和之さんに、この映画『ソング・オブ・ラホール』について伺いました。


私は長年パキスタンに関わってきたので、日本に届くニュースといえば、どこで爆破があったとか、何人殺された…といった暗い話ばかりですよね。どこで可愛い赤ちゃんが生まれたとか、美味しいお菓子屋さんがオープンしたとか、素敵な音楽のコンサートが開かれたなんて話は全く出ないから、こういう映画ができて、やっと日本の皆様にも明るい話題でパキスタンの文化や音楽が紹介できるのかな?と思って、大変嬉しく思います。

この映画は、パキスタンで長年ずっと音楽で生きてきた人たちが、そこへ現れた文化的・経済的な大パトロンとの出会いを経験して、自分たちの何百年もの間祖先から伝えられてきた技術を使って、今までやったことのない音楽に挑戦していく…という主旨の映画だと思います。
彼らはインド・パキスタンの伝統音楽の基礎は全部出来ているので、何でも対応が出来る訳です。だから新しい曲をやるんだな、という程度のことで、そう驚くことはなかったと思うのですが、彼らはスウィングは出来ないのです(笑)。だから、そこだけが挑戦だったんじゃないですかね。

僕は最後のシーンが好きで、色んな経験もして、海外公演も終えて、そしてパキスタンで初めて自分たちのコンサートを開くために嬉々として動き回っていく…テレビにも出て。今までテレビになんか出なかったような人たちがですよ?これまでなら名前も載らないようなスタジオミュージシャンたちが、自分たちの名前がパキスタンで知られていって、生活も自分たちの技術も向上していくのも分かって、喜びながら頑張っているシーン…あれがもう、僕は涙が出ます。

パキスタンの人も、私たち日本人と日常はそう変わらないのです。同じように生活をして、同じように生きていくために一緒に働いている…だから、遠い危険な国のかわいそうな人たちだと見るのではなく、自分たちと同じような人たちの物語だと思って見て欲しいと思いますね。

伝統に培われた演奏技術、自由に演奏できないという抑圧された社会背景…そこから奏でられる音楽には聴く人を揺さぶる“ソウル”があります。日本でのキャッチコピーは「スイングしなけりゃ“あと”がない!」映画『ソング・オブ・ラホール』は、8月13日から渋谷のユーロスペースで、8月27日からは角川シネマ有楽町で公開となります。
今日は、先週末の全国映画動員ランキングトップ5と、映画『ソング・オブ・ラホール』の見どころをご紹介しました。