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村上春樹氏、今年こそ??(2016/10/6)

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木曜日は「カルチャー」。


連日発表されているノーベル賞各賞。
当初、10月6日と見られていた「文学賞」の発表は
1週間遅れの13日となりました。
今日のランキングは、毎年ニュースになる
イギリスのブックメーカーのオッズ。
「ラドブロークス」というブックメーカーの賭け率
上位5位までをご紹介します!



第5位『 ハビエル・マリアス(スペイン)65歳 』『 イスマイル・カダレ(アルバニア)80歳 』17倍

第4位『 グギ・ワ・ジオンゴ(ケニア)78歳 』11倍

第3位『 フィリップ・ロス(アメリカ)83歳 』8倍

第2位『 アドニス(シリア)86歳 』7倍

第1位『 村上春樹(日本)67歳 』6倍


毎年名前の挙がる村上春樹さん。今日は来週発表される「ノーベル文学賞」を念頭に、早稲田大学文学学術院教授で、アメリカ文学研究者、翻訳家、世界文学についての著作物も多い、都甲幸治さんにお話を伺いました。


中西:いま、世界の文学はどんな状況にありますか?


都甲:キーワードはふたつあると思うんですが、まずは「移動している」それから「国を代表する存在ではなくなっている」ということです。最近はヨーロッパに中東から大量に移民が流入していて、文学者もまた、国や言語の壁を越えて各地で執筆活動を行うようになっています。また、先ほどのランキングにも登場した村上春樹氏やハビエル・マリアス氏は翻訳者としても活躍していますし、その他の作家もフランスに亡命していたり、アメリカで文学を教えていたりと、複数の言語を使って活動をしていますね。

中西:日本では「外国文学」というと英語圏の作品が中心で、なかなか他の国の作品に接する機会が少ないですが、もっと広く海外の文学の頁をめくるとどんな世界が待っていますか?


都甲:英語圏の文学だけを考えると、どうしても思考が偏りがちになりますが、「日本」と「欧米」に加え「3つめの視点」を取ることによって、どんどん視野が広がっていくと思います。

中西:「ノーベル文学賞」はどんな作家に与えられる賞なんですか?


都甲:こちらはノーベル文学賞のサイトに明確な基準が記されています。ひとつ目が「作品として卓越したものを描いていること」、ふたつ目が「人類の理想に貢献すること」、分かりやすく言うと「人権をすすめるべく頑張っている人」です。そして、ここからがちょっと面白いんですが「考慮しない」という項目もあります。こちらは「人気は一切考慮しない」ということですね。それから「音楽など、文学に隣接した分野の人には与えない」ということも明確に記載されているんです。

中西:毎年この時期になると、村上春樹さんのノーベル文学賞受賞の期待が高まりますが、その可能性について都甲さんはどうお考えですか?


都甲:受賞の可能性は充分にあると考えています。ひとつ目は「英語版の翻訳の質が非常によいこと」。こちらはハーバード大学の先生を雇って、非常に優れた翻訳版を作っていますので、ほかの日本の作家より充分に有利な立場にあると思います。ふたつ目の理由は、日本ではあまりそういう受け取られ方はしていないんですが「日本の植民地主義について書いていること」。海外では政治的な作家というイメージが確立していますので、受賞の可能性は充分にあると思います。

毎年注目される村上春樹さんのノーベル文学賞受賞、今年こそ現実のものとなるのでしょうか?来週の発表が楽しみですね!今日は「ノーベル文学賞」のイギリスのブックメーカーのオッズ、トップ5をご紹介しました。