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記憶に残った今年最良の1冊 TOP5(2013/12/12)

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木曜日は、「カルチャー」。


今日は、先日発売になった書籍の情報雑誌
【ダ・ヴィンチ1月号】に掲載されている
「記憶に残った今年最良の1冊 BOOK OF THE YEAR 2013」
小説部門のTOP5をご紹介!



第5位 『 死神の浮力 』伊坂幸太郎(文藝春秋)

第4位 『 ビブリア古書堂の事件手帖4〜栞子さんと二つの顔〜 』三上延(メディアワークス)

第3位 『 旅猫リポート 』有川浩(文藝春秋)

第2位 『 色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年 』村上春樹(文藝春秋)

第1位 『 丕緒の鳥 十二国記 』小野不由美(新潮文庫)


こちらのランキングは、2012年10月〜2013年9月までに発行された書籍・コミックスを対象に
読者や全国書店員などによる有効回答数4,619人のアンケートをもとに集計されています。


第1位は1991年に発表された『魔性の子』から始まった「十二国記」シリーズの最新作。
古代中国を想起させる不思議な世界を舞台にしたファンタジーで、アニメ化もされています。
これまで8作が出版されていましたが『丕緒の鳥』はなんと12年ぶりの作品。
すでに発表されていた2つの短編と2つの書き下ろし短編、計4つの短編を収録した作品となっています。
現在、この作品の編集を担当している「新潮社」編集部の鈴木真弓さんにこの作品の魅力を伺いました。


これは本当に新作が待たれていた作品ですので、読者の方たちもすごく待ちわびていたことは
もちろん実感できるんですが、私も一編集者として、原稿をお預かりしたときから
本当に素晴らしい作品だったので、思わず胸が熱くなる作品でした。
そもそも「十二国記」というのは、私たちが住む世界と、地球上には存在しない
異世界を舞台に繰り広げられる壮大なファンタジーです。物語の主たるテーマは
“王様がいかに理想の国を目指すか”そして、その国で懸命に生きる人々の生き様を丹念に綴った
壮大な物語です。シリーズ全体を通して共通のテーマというのは、日常の中で
迷いがあったり困りごとがあったり、弱音を吐きたくなるようなときに背中を押してくれたり
勇気を与えられる…そういうものが全ての物語を通してのテーマとなっているので、
初期の作品ではほとんどが10代の少年・少女が主人公という作品だったんですが、
今回の「丕緒の鳥」は、4編の短編それぞれに役割を担う男たちが主人公として登場してきます。
例えば[国の即位の儀式を任される男]だったり、[法を司る男]だったり、
[山林を管轄する役人]だったり、[暦を作る男]だったりと、それぞれが自分の担っている
仕事をどうやってやり遂げるか、そのひたむきな生き様を描いた作品です。
サラリーマンだったり、そういった方々にとっても、自分と重ね合わせられる物語です。
読者の方たちは繰り返し読んでいて、人間の内面をえぐる鋭い言葉が散りばめられた物語なので
そういった点が、読者に長く読み継がれている理由かと思います。

皆さんいかがですか?まだ読んだことのない方は、冬休みを利用して
1作目から一気読みしてみるのも良いかもしれませんね。


今日は『記憶に残った今年最良の1冊 TOP5』をご紹介しました。