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2016.04.30 Sat

義足エンジニア、遠藤謙さん。義足の開発を通して、これからの世界に何を求めているのか?

記念すべき第1回に登場したのは、義足エンジニアの遠藤謙さん。

リオデジャネイロ・パラリンピックを前に、『競技用義足』の開発者として、ひときわ高い注目を集めている遠藤さんですが、どうして義足の研究に足を踏み入れたのか? そして義足の開発を通して、これからの世界に何を求めているのか? 遠藤さんのONGOINGについて、小宮山雄飛さんのリポートです!


↑(左)義足エンジニア・遠藤謙さん、(右)小宮山雄飛さん



■同じ屋根の下

遠藤さんは、義足の世界に入る前は、『二足歩行ロボット』の研究を行っていました。そしてその研究室があった場所が、偶然にも小宮山雄飛さんの実家のマンションの一室。当時は実家住まいだったという雄飛さん。遠藤さんと同じ屋根の下にいたことになります。あまりの偶然の出会いに、お互いビックリ!



■義足に関わるきっかけは、友人のため

学生時代の後輩が難病を患い、やむを得ず足を切断。そしてその後輩のもとを訪れ、遠藤さんの研究が役立たないか模索していましたが、後輩が発した「自分の足で歩きたい」という言葉がきっかけで、遠藤さんの頭に『義足』というキーワードが浮かんだそうです。



■義足の研究のために留学

留学先は、マサチューセッツ工科大学(MIT)のメディアラボ。遠藤さんが師事したのは、自身も事故で両足を切断している義足エンジニアのヒュー・ハー教授。「身体に障害をもつ人なんていない。テクノロジーに障害があるだけだ」というのは、ヒュー教授の言葉。

ヒュー・ハー教授 in TED
https://www.ted.com/talks/hugh_herr_the_new_bionics_that_let_us_run_climb_and_dance?language=ja



■パラリンピックの意味について

遠藤さん曰く、パラリンピックというと、昔はリハビリテーションの延長線上にあって、「みんな頑張っているんだから応援しよう」という意識が強かったのですが、近年はテクノロジーと競技者のトレーニングによって、それがスポーツとして観られるようになってきました。なので、それを観てみんなが「かっこいい」という言葉を発するようになってきたのは、極めて自然なこと。


↑遠藤さんが研究・開発しているXiborg社の競技用義足



■義足はかっこいい!

MITに留学した遠藤さん。当初は後輩のこともあり、障がいに対し「かわいそう」という意識を持っていましたが、ヒュー教授や他の障がい者の方と接することで、心境に変化が起こり、義足というものが、「かっこいいもの」だと思うようになりました。「かわいそう」から、「知的好奇心をくすぐるもの」への変化。その好奇心が続く限り、遠藤さんは義足を研究し続けます。

→次週はいよいよ義足本体を解説してもらいます!
放送は5月7日(土)22時から、JFN系列全国38局でオンエア

今回お送りした曲は…
Wide Open / The Chemical Brothers
WALK WALK / YAEL NAIM