語り手:乳酸菌

トンネルを抜けるとそこはおなかの中だった…。 乳酸菌は今日も人と生きている。 ボクらは乳酸菌。古くからこの星に住み、 人間や動物の体に宿り、日々活動しています。 そんな乳酸菌たちが宿主と一緒に喜んだり、悲しんだり。 時には励ましたり…おなかの中から 語りかけるストーリィをお楽しみください。

メッセージ

番組ではメッセージを募集しています!番組の感想や乳酸菌くん(語り手)へのメッセージをお寄せください。

2024年03月31日(日)

お互い様でありがとう

ボクの宿主は28歳、町内会長の朗さんです。

えっ、ずいぶん、若い会長さんだって?
実は、この地域は、お年寄りばかり。
「人材不足」って、やつなんだよね。

朗さん「こんにちは〜! 井上のおばあちゃ〜ん」

井上さん「は〜い」

会長さんの仕事のひとつは、高齢者の見守り。

時々、訪問しては、電気の付け替え、家具の移動、なんでもお手伝いしているんだ。

同級生は「エライ」って言ってくれるけれど、自分が育った地域に、恩返しのつもり。
それに…。

朗さん「あ、おばあちゃん、いたいた」

井上さん「はーい」

朗さん「すぐ出てこないから、心配しちゃったよ」

井上さん「ごめんなさいね〜。これを、あなたに持って行ってもらいたくてね〜」

そう言われて、差し出されたのは、手作りの筑前煮。

実は朗さん、行く先々で、いろんなおかずをもらっているんだ。

井上さん「だって、あなた、独身なんだもの。
ちゃんと食べているのか、心配なのよ〜」

あは! 結局は、お互い様。
みんな、見守ったり、見守られたりして暮らしているんだよね。

朗さん「おばあちゃん、いつもありがとね〜」

ボクら乳酸菌も、みんなの健康を見守っているよ。
番組は今日で最終回。でも、ずっとずっと、そばにいるからね。

じゃあ、これからも、素敵な毎日を!
 
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