語り手:乳酸菌

トンネルを抜けるとそこはおなかの中だった…。 乳酸菌は今日も人と生きている。 ボクらは乳酸菌。古くからこの星に住み、 人間や動物の体に宿り、日々活動しています。 そんな乳酸菌たちが宿主と一緒に喜んだり、悲しんだり。 時には励ましたり…おなかの中から 語りかけるストーリィをお楽しみください。

メッセージ

番組ではメッセージを募集しています!番組の感想や乳酸菌くん(語り手)へのメッセージをお寄せください。

2017年10月01日(日)

月がキレイな夜

ボクの宿ぬしは、51歳。
ちょっぴりメタボな学さんです。

最近、夜のウォーキングをはじめた奥さんに誘われて、今夜はふたりで歩いています。

奥さん:「ホラホラ。もっと腕を振って!」
宿主:「わかってますよ〜。もうスパルタだな〜」
スイスイ、てくてく、ふたりのペース。

静かな住宅街、県道にポツンとあるコンビニ、誰もいない公園。
夜の街は、昼間とはまた違った表情でいいものだよね。

宿主:「そーいえば、昔はよくふたりで、ぶらぶら歩いたよな〜」
奥さん:「私、あの頃、歩きながら見るあなたの横顔、好きだったなぁ〜」
うふ! 思いがけない告白。
学さん、これはテレちゃうね〜。

宿主:「おっ、月がキレイだな〜」
あは!学さん、それではぐらかしたつもりかな〜?

でも、知ってる?
あの夏目漱石は、英語教師の頃、“I love you”を
“月がキレイですね”って訳した逸話があるんだよ。
学さんも、思いがけず、告白しちゃったってことじゃない?!

宿主:「子育ても終わったし、これからはまた2人で、こんな風に歩いていくのかな〜」

長い人生は、月の満ち欠けと同じ。
ボクら乳酸菌は、いい時も、悪い時も、ずっとみんなと一緒に歩いて、見守っていくからね。

じゃあ、また日曜のお昼に!