語り手:乳酸菌

トンネルを抜けるとそこはおなかの中だった…。 乳酸菌は今日も人と生きている。 ボクらは乳酸菌。古くからこの星に住み、 人間や動物の体に宿り、日々活動しています。 そんな乳酸菌たちが宿主と一緒に喜んだり、悲しんだり。 時には励ましたり…おなかの中から 語りかけるストーリィをお楽しみください。

メッセージ

番組ではメッセージを募集しています!番組の感想や乳酸菌くん(語り手)へのメッセージをお寄せください。

2012年02月12日(日)

バレンタインの準備

ボクの宿ぬしは、35歳の女性です。
彼女には、10歳の娘、ユミちゃんがいます。
もうすぐ、バレンタインデー。
今日は、ユミちゃんのチョコ作りのお手伝い。

ボウルにゴムベラ、ハンドミキサー…。
キッチンは大忙しだけど…、チョコレートのいい香り〜!
そして…、できた! トリュフとガトーショコラ!

これはマサキくん、これはヒデくん、こっちは田中くん…。
かわいいトリュフを、お友達用に分けるユミちゃん。
ところで…、ひときわ大きいガトーショコラは、誰の?

母:「ねえ、ユミ。それは、誰にあげるの?」

…ユミちゃんは、恥ずかしそうに黙ったまま。
やっぱり、これが本命だね。

母:「わかった、ジローくんでしょ?」

首を振るユミちゃん。

母:「中村くん?…あ、山下くんだ!」

首を振り続けるユミちゃん。
…うーん…あ!ひょっとして…。

母:「まさか…宮崎先生?」

あ、頷いた!
そっかぁ、先生かぁ…。たしかに、イケメンだもんね。
…となったら、ねぇ、ママも応援しなくっちゃ。

母:「ユミの一番の笑顔で渡せば、きっと、うまくいくわよ。」

我が子の恋…、そっと、見つめていきたいね。
ちなみに、おなかのなかは、ボクら乳酸菌が見つめているからね。
じゃあ、また、日曜のお昼に。