語り手:乳酸菌

トンネルを抜けるとそこはおなかの中だった…。 乳酸菌は今日も人と生きている。 ボクらは乳酸菌。古くからこの星に住み、 人間や動物の体に宿り、日々活動しています。 そんな乳酸菌たちが宿主と一緒に喜んだり、悲しんだり。 時には励ましたり…おなかの中から 語りかけるストーリィをお楽しみください。

メッセージ

番組ではメッセージを募集しています!番組の感想や乳酸菌くん(語り手)へのメッセージをお寄せください。

2012年01月15日(日)

受験生

ボクの宿ぬしは、18歳の女性です。
彼女は、大学受験生。
志望校の入試まで、あと1ヶ月。
追い込みをかけ、週末は、近くの図書館へ。

やって来たのは、自習室。
窓側、奥から2番目の机。
そこが、彼女の特等席。
あれ? でも今日は…。
おばあさんが一人、本を読んでいます。
残念、先客だ…。しょうがないね。
と、そのとき…。

「お嬢さん、こちらへどうぞ。」と、おばあさん。

そして、ポケットから取り出したのは…。
ん? 「合格祈願」…お守りだ!
え? わざわざ、彼女のために?
短い手紙も。

「あなた、いつも勉強がんばっているから、つい、応援したくなっちゃったの。」

…おばあさん、知らない間に、ずっと見ていてくれたんだね。
そうとなったら、いい報告しなくっちゃ。
大丈夫! きっとできるよ!

ボクらもおなかのなかで、陰ながら、キミを支えているからね。
じゃあ、また、日曜のお昼に。