語り手:乳酸菌

トンネルを抜けるとそこはおなかの中だった…。 乳酸菌は今日も人と生きている。 ボクらは乳酸菌。古くからこの星に住み、 人間や動物の体に宿り、日々活動しています。 そんな乳酸菌たちが宿主と一緒に喜んだり、悲しんだり。 時には励ましたり…おなかの中から 語りかけるストーリィをお楽しみください。

メッセージ

番組ではメッセージを募集しています!番組の感想や乳酸菌くん(語り手)へのメッセージをお寄せください。

2011年12月04日(日)

プロポーズ

ボクの宿ぬしは、28歳の女性です。
絵を描くことが趣味の、少し年上の男性とお付き合いをしています。
彼女のことを、よく描きます。
彼の描く彼女は、とても可愛いです。

ボクらのことも、描いておくれよ〜!
おなかのなかで、ボクら乳酸菌が焼きもちを焼くくらい、彼の描く彼女の笑顔は、素敵なんです。

昼下がりの公園。
いま、彼が描いているのは、え?手だけ?
彼女の手だけを描いています。
ボクらの大好きな笑顔は、どうしちゃったの〜!

まあ、彼女は手も綺麗なんだけどね。
ボクら乳酸菌のがんばりがありますから。
指輪とかアクセサリーはしない人だけど、魅力的な手。指。

…おや、彼の手が止まりました。完成かな?
完成した、その絵は、あれ? 指輪をはめた手。
…あ、これ、ひょっとして…

泣いたら、スケッチブックが滲んじゃうよ〜!
彼が、ポケットから、本物の指輪を出しました。
彼女の指に、はめました。

絵とおんなじになった〜!
まったく言葉のないプロポーズ。
そんなのもあるんだぁ!

ボクらは、ライスシャワーならぬ、乳酸菌シャワーで、おなかのなかで、派手にお祝いするよ。
じゃあ、また、日曜のお昼に。