語り手:乳酸菌

トンネルを抜けるとそこはおなかの中だった…。 乳酸菌は今日も人と生きている。 ボクらは乳酸菌。古くからこの星に住み、 人間や動物の体に宿り、日々活動しています。 そんな乳酸菌たちが宿主と一緒に喜んだり、悲しんだり。 時には励ましたり…おなかの中から 語りかけるストーリィをお楽しみください。

メッセージ

番組ではメッセージを募集しています!番組の感想や乳酸菌くん(語り手)へのメッセージをお寄せください。

2012年09月30日(日)

月夜の帰り道

ボクの宿ぬしは、20歳の男性です。
今日は、大学のサークル仲間の水沢さんと、ドライブデート。
ちょっと内気な彼…出会ってから一年半、
ようやくドライブに誘えたんだよね!

そうなんです! 彼、水沢さんに片思い中。
このチャンス、何とかしなくちゃ!
でも、結局、肝心な事は切り出せないまま…。

すっかり暗くなった、帰り道。
すると、助手席の水沢さん…。

水沢さん「あ、加藤くん。 月が、きれい。」
ホントだ。 秋だね〜。
水沢さん「ねえ、知ってる? 昔は、“月待ち”っていって、
みんなで月が出るのを待ったんだって。」
へえ〜。

水沢さん「わたしも、結構待ってるんだけどな…好きな人…」
え?! す、好きな人?!
水沢さん「でも…今日、やっと誘ってもらえた。」

へっ? え? …え! まさか、好きな人って…
ええ〜!! 二人とも、待ち過ぎでしょ!
…でも、ようやく時が満ちたんだね。

今日は、中秋の名月。
夜空には、満月が浮かぶよ。

ボクら乳酸菌も、未来が明るくなるように、
おなかのなかから、見守っているからね。
じゃあ、また、日曜のお昼に。