ボクの宿ぬしは、42歳の男性です。
彼の仕事は、ペンキ塗り。
壁の塗り直しを頼まれて、現場のお宅へ。
作業を始めると…。
ユウトくん:「ねえ、ペンキ塗るのって、難しい?」
…と、そのお宅のお子さん。
宿主:「いいや、簡単簡単!」
…なんて、調子よく答えると…。
ユウトくん:「おじちゃん、お絵描きじょうず?」
「ここ、何色に塗るの?」
…って、もう、質問攻め。
奥さん:「こら、ユウト。おじちゃんのお仕事の邪魔しないの!」
ユウトくん:「はーい…」
渋々引き上げる、ユウトくん…。
一仕事終えると、お昼休み。
食後の一服をしていると、お盆を手に、奥さんが…。
奥さん:「よかったら、お茶どうぞ。」
宿主:「ああ、すみません。」
すると、奥さんに続いて…。
ユウトくん:「ねえ、おじちゃん、これ使って。」
…と、ユウトくん。
ん?…ああ、これ、見て!
カラフルな絵具で、綺麗に塗られた、紙コップ。
ユウトくん:「おじちゃん、ボクんち、カッコよく塗ってね。」
小さな職人さんからの、プレゼント。
ねえ、午後も頑張れそうだね。
ボクらも日々、おなかのなかを、元気一色に塗るよ。
じゃあ、また、日曜のお昼に。