語り手:乳酸菌

トンネルを抜けるとそこはおなかの中だった…。 乳酸菌は今日も人と生きている。 ボクらは乳酸菌。古くからこの星に住み、 人間や動物の体に宿り、日々活動しています。 そんな乳酸菌たちが宿主と一緒に喜んだり、悲しんだり。 時には励ましたり…おなかの中から 語りかけるストーリィをお楽しみください。

メッセージ

番組ではメッセージを募集しています!番組の感想や乳酸菌くん(語り手)へのメッセージをお寄せください。

2015年03月08日(日)

ドーナツみたいに

ボクの宿ぬしは、50歳の女性です。
彼女、町のパン屋さん。
近くの高校の卒業式の日、お店にやってきたのは…。

女子高生:「おばちゃん、こんにちは。」
あ!いつもの、仲良し女子3人。
部活の帰りに毎日寄ってくれた、バドミントン部の、彼女たち。
そっか。もう、卒業なんだね…。
3人がお気に入りだったのは、このお店の揚げドーナツ。

女子高生:「おばちゃん、今日、ほんっと、おなか空いてるの!」
…なんて日は、2つ3つ買って、いつも笑顔で食べていたね。
ねえ、なんだか、寂しくなるね…。
と…。

女子高生:「おばちゃん、今日も揚げドーナツ。」
ああ!最後もみんなで、仲良く揚げドーナツ。
「ホント、3人は、いつも仲良しね。」なんて声を掛けると…。
女子高生:「ケンカした日も、あったんだよ。」
え?そうなの?
女子高生:「でも、不思議。おばちゃんのドーナツを食べると、いつの間にか仲直りしてるの。」

この通学路ともお別れの、彼女たち。
これから別々の道を行っても、きっと、友情の輪は残っていくね。
この、ドーナツみたいに。

ボクら乳酸菌も、仲間と力を合わせて、健康を見守っていくよ。
じゃあ、また、日曜のお昼に。