語り手:乳酸菌

トンネルを抜けるとそこはおなかの中だった…。 乳酸菌は今日も人と生きている。 ボクらは乳酸菌。古くからこの星に住み、 人間や動物の体に宿り、日々活動しています。 そんな乳酸菌たちが宿主と一緒に喜んだり、悲しんだり。 時には励ましたり…おなかの中から 語りかけるストーリィをお楽しみください。

メッセージ

番組ではメッセージを募集しています!番組の感想や乳酸菌くん(語り手)へのメッセージをお寄せください。

2011年10月30日(日)

兄はカメラマン

ボクの宿ぬしは、8歳の男の子です。
昨日は、弟の幼稚園の運動会。
彼には、大事な役目がありました。

それは、カメラマンという大役。

仕事でどうしても来られなくなったパパの代わりに、写真を撮ることになったのです。
お兄ちゃんは、弟のがんばりを、しっかり撮ろうと大ハリキリ。

弟クン、玉入れでは、玉を投げまくりだぁ!
ママにおんぶされて走るレースは、息がピッタリ!
あっ、障害物競争で転んじゃった…。
大玉転がし。転んだうえに、泣いちゃったぁ…!

今、お兄ちゃんは、運動会に来られなかったパパに写真を見せています。

玉入れの玉を、精一杯投げる弟…
ママの背中で、ピースする弟…
パパは嬉しそう!
でも、そこには、転んじゃったのも、泣いちゃってるのも、ないのでした。

お兄ちゃんが、消したのです。

弟クンのイイところだけを、パパに見せたかったから。
ボクの宿ぬしは、そんな、やさしい男の子。

ボクら乳酸菌は、キミに負けないやさしさで、おなかのなかから、見守っているよ。
じゃあ、また、日曜のお昼に。