語り手:乳酸菌

トンネルを抜けるとそこはおなかの中だった…。 乳酸菌は今日も人と生きている。 ボクらは乳酸菌。古くからこの星に住み、 人間や動物の体に宿り、日々活動しています。 そんな乳酸菌たちが宿主と一緒に喜んだり、悲しんだり。 時には励ましたり…おなかの中から 語りかけるストーリィをお楽しみください。

メッセージ

番組ではメッセージを募集しています!番組の感想や乳酸菌くん(語り手)へのメッセージをお寄せください。

2013年04月07日(日)

桜のように

ボクの宿ぬしは、63歳の男性です。
今日は、家族で、お花見。桜並木に、焼き鳥、お団子…。
ボクら乳酸菌も、働きがいがありそう!
…だけど、彼、浮かない顔。

実は、孫の翔太くんが、
ボールで盆栽の枝を折っちゃって…。
「サッカーは広い所で!」って、何度も注意したのにね…。
前を歩く翔太くん、うつむいたまま…。

でも、ダメなことは、ダメ。
謝るまで、待つしかないよね。
すると、翔太くん、こっちを向いて…

翔太くん:「……ごめんなさい!
おじいちゃんの木も、桜みたいに、大きくなったかもしれないのに…」
ああ、涙目…。
宿主「翔太…、桜は、めいっぱい咲いて、思い切りよく散る…。
おじいちゃん、思い切って謝った翔太が、いちばんうれしい。」
…あっ、翔太くん、ちょっと笑った…。

宿主:「翔太、ほれ。」
え?お団子?…いつのまに!
翔太くん:「おじいちゃん、ありがとう!」
ふふ、お花もお団子も、どっちも楽しもうね!

ふたりの、その笑顔のために、
ボクらも、おなかの中で、がんばるよ!
じゃあ、また、日曜のお昼に。