語り手:乳酸菌

トンネルを抜けるとそこはおなかの中だった…。 乳酸菌は今日も人と生きている。 ボクらは乳酸菌。古くからこの星に住み、 人間や動物の体に宿り、日々活動しています。 そんな乳酸菌たちが宿主と一緒に喜んだり、悲しんだり。 時には励ましたり…おなかの中から 語りかけるストーリィをお楽しみください。

メッセージ

番組ではメッセージを募集しています!番組の感想や乳酸菌くん(語り手)へのメッセージをお寄せください。

2015年05月17日(日)

結婚前夜の隠れ家

ボクの宿ぬしは71歳の女性。

明日は孫のすみれちゃんの結婚式。
でも、おばあちゃんはちょっぴり心配。
幼い頃から親に叱られると、この部屋に逃げ込んでいたすみれちゃん。
しきたりの厳しい嫁ぎ先でひとり、きちんとやっていけるかな…。

すると。
すみれちゃん:「おばあちゃん、ちょっといい?」

あれ?すみれちゃん。

すみれちゃん:「タンタカタンタ、タラララタンタンタン〜♪」
おばあちゃんへ、花束贈呈〜。

え?すみれの花…。

すみれちゃん:「披露宴では、両親に花束贈呈でしょ!でも、どうしても、おばあちゃんにお礼がいいたくて…。一日早いけど、これ。」

あぁ、すみれちゃん!

すみれちゃん:「おばあちゃん、これまで、本当にありがとね。そして…、これからもよろしくね!」

えっ?これから?

すみれちゃん:「だって、結婚しても、わたしの隠れ家はここだけだもん!」

あぁ、そうだよね。
イザという時は、隠れ家で、話なら、いくらでも聞いてあげられるね。

でもすみれちゃん、安心して。
すみれの花言葉は“小さな幸せ”。
こんなにやさしいんだもの、嫁ぎ先でもきっと幸せになれるからね。

おなかの中もみんなの隠れ家。
ボクら乳酸菌が小さな幸せを陰ながら応援していくよ。

じゃぁ、また、日曜のお昼に。