語り手:乳酸菌

トンネルを抜けるとそこはおなかの中だった…。 乳酸菌は今日も人と生きている。 ボクらは乳酸菌。古くからこの星に住み、 人間や動物の体に宿り、日々活動しています。 そんな乳酸菌たちが宿主と一緒に喜んだり、悲しんだり。 時には励ましたり…おなかの中から 語りかけるストーリィをお楽しみください。

メッセージ

番組ではメッセージを募集しています!番組の感想や乳酸菌くん(語り手)へのメッセージをお寄せください。

2015年08月02日(日)

花火と葦とわたし

ボクの宿ぬしは32歳の女性、なつみさんです。

今日は花火大会。
同僚と見物に行く予定だったけれど、オフィスでひとり残業中。
新商品のアイディアが浮かばなくて、煮詰まっているんだよね。

なつみさん:「はぁ〜ぁ。私の発想力も、限界かなぁ〜」

すると…。

なつみさん:「あっ、はじまったか…。」
遠くから響いてくる花火の音。

しばらく耳を澄ませていると…。

徳川先輩:「どう? 調子は?」
あっ、先輩の徳川さん。

なつみさん:「えー、もう、さっぱりですぅ。わたしの頭の中って、カラッポの空洞なのかもしれないですね〜。」
徳川先輩:「空洞かぁ〜。でも、空洞もまんざらじゃないんじゃない?!いや、日本の花火って、はじめは植物の葦を使っていたらしいんだよね〜。葦の茎って、空洞の管みたいになっていて、そこに火薬を詰めてたんだってさぁ〜」

へぇ〜、そーなんだぁ〜。

徳川先輩:「それが、今では、あんなに大きな打ち上げ花火だろ?スゴいよな!」
あは!空洞も使い方ひとつで、大きく花を咲かせるんだね。

ねぇ、なつみさん、もう少し、頑張ってみない?
「人間は考える葦である」って、昔の人も言ってるしさ。

ボクら乳酸菌も、いつも宿ぬしのことを考えているよ。
おなかの中から、みんなの頑張りを、サポートしていくからね。

じゃあ、また日曜のお昼に。