岡山県の農家さんが始めた、ぶどうに電子タグをつけて販売する取り組み
オンエアレポート
2025.02.13

「岡山県の農家さんが始めた、ぶどうに電子タグをつけて販売する取り組み」

今回のイノベーターは、岡山県でぶどうを栽培している、林ぶどう研究所の林慎悟さんです。

「林ぶどう研究所」は、品種改良や品種の保存を目的として、約100種類のぶどうを栽培しているということです。
林さんは「品種が農家さんを支える」という考えをお持ちということですが、
まずは、こちらについても詳しく教えてください。
「昨今の温暖化などの急激な環境の変化に対して、
従来の品種特性や栽培技術だけでは安定的な生産は難しくなってきています」
「しかし、環境にあった品種があれば、生産自体は安定しますし、生産コストなど様々なものが少なくてよくなります」
「恩師から『品種にまさる技術なし』という話を聞き、まさにその通りだと思いました」

そして、「ぶどうに電子タグをつけて販売する取り組み」。こちらは、どのような取り組みなのでしょうか?
「こちらは、農産物の模倣品(品種は同じなのに名前を変えて売っている農産物)や
許諾違反(許可されていないのに販売しているケース)を監視しながら、
育成者にも利益還元がなされるような仕組みを作ることを目的とした取り組みです」
「具体的には、農産物を発送する際に、その品種のDNA情報や、
その他の農産物に関わる情報などを載せた電子タグを同梱して(一緒に入れて)、販売しています」
「これによって、その商品が『許諾先の生産者』から『許諾された品種』が
きちんと生産・販売されているかを確認できるようにします」

どのような仕組みなのか、詳しく教えてください。
「試験的に動き出している状況なのですが、現状は販売された商品に、
その生産物の情報やDNA情報などを載せて発送します」
「電子タグは『RFID』という技術を活用しています」
「この電子タグにスマートフォンのカメラを近づけると、情報が表示されます」
こちらの取り組み。どのような思いがあって、始めたのでしょうか?
「新品種を育成した人に正当な対価が還元でき、きちんと許諾を受けて生産している方が
正当な収益を可能な限り、維持すること。
そして、買う方が間違いない商品を購入できるような持続可能なシステムを作っていくためです」

こちらの取り組み。現在は「発展途上」ということですが、今後はどのようにしていきたいと考えていますか?
「現状は、“生産者から消費者へ”という取り組みとしてスタートしていますが、
生産現場での苗木の管理や、流通も量販店を交えた取り組みにするなど、
育成者から消費者までを見える化することができる仕組みの構築を目指しています」

新品種を育成した人に正当な対価が還元できるようになることを目指している、こちらの取り組み。
今後、広がっていくことを期待しています。