『農機オペレーター』不足を解消する、JA全農ふくれんの取り組み
オンエアレポート
2025.04.24

「『農機オペレーター』不足を解消する、JA全農ふくれんの取り組み」

今回のイノベーターは、
JA全農ふくれん(全国農業協同組合連合会福岡県本部) 営農直販部 担い手支援課の行武大樹さんです。

「農機オペレーター」は、トラクターやコンバインといった農業機械を操作して作業をすることです。
具体的には、田んぼを耕したり、お米を収穫したりといった、機械を使った作業を行います。
「農機オペレーター」、日本全国にいるのでしょうか?
「全国にいますが、活躍のスタイルはさまざまです。
北海道や東北などの大規模農業地帯では、専業のオペレーターが会社や法人に所属して、
大型機械で数十~数百ヘクタールを管理しています」
「一方、中山間地域や西日本では、集落営農や機械利用組合の一員として地域の農家の作業を受け持ったり、
個人で農業を行いながらオペレーターを務めたりと、様々なスタイルがあります」
この「農機オペレーター」の不足が日本の農業現場では深刻な課題となっています。
農業従事者の高齢化が進む中、農機を操作できる人材の確保が難しくなっている、ということです。

こうした中、「JA全農ふくれん」が2024年11月から始めたのが「地元・福岡の大学生が農機を扱う実習」です。
「農機オペレーターの募集が難しいため、運転や機械が好きな人を対象に募集を行い、ハードルを下げました。
これにより、若い人たちや機械好きが農業に触れる機会を増やし、農業の入り口を広げることを目指しています」
「特に地元の大学と協力し、農業に触れる機会を提供することで、若い世代に農業の魅力を伝え、
農業関係人口を増やし、そこから新規就農に繋げることを目指しています」
実習に参加した学生さんは、どのような感想を話していますか?
「女子学生は『機械に乗る前は操作が難しそうと思っていたが、実際に乗ってみると、操作は簡単で楽しかった。
大学卒業後も自分の仕事を持ちながら、空き時間を使って機械に乗って農業もやりたい。
周りにも農業の楽しさを伝えたい、女性でも機械は乗れるんだと伝えていきたい』と話していました」
実習をやってみて、行武さんは、どのようなことを感じましたか?
「若い世代が農業に対して持っているイメージが変わりつつあるということです。
学生たちが圃場内で実際に農機を操作し、楽しさや達成感を感じることで、農業への興味が深まっているのを実感しました」
「特にうれしかったのが、自分の空いた時間に農業に携わってくれると言ってくれたことです。
この取り組みを通じて農業に携わる人が増え、将来的に新規就農へ繋がることができると改めて感じました」
「これからも、若い世代に農業の魅力を伝え続け、地域社会の活性化に貢献していきたいと思います」

「JA全農ふくれん」の、この取り組みによって、
「農機オペレーター」不足が解消するだけでなく、新規就農者の増加に繋がることを期待しています。