映画「イリュージョニスト」には、列車がたびたび登場します。

パリからスコットランドの最果ての町へ、主人公の年老いた手品師が、まだ手品を見てくれるお客さんを求めて旅してゆくからです。

「イリュージョニスト」の舞台は1959年。日本では、東京タワーが完成した翌年。ちょうどテレビやステレオが世界中の家庭に普及しはじめた頃です。

子供たちはテレビにかじりつき、若者たちはレコードプレイヤーの前で踊り・・・、煤けた劇場のほのあかりのなかで、手品を見る人なんてどんどんいなくなってゆく・・・。古いものと新しいものが、すれ違う時代でした。

でも、このイリュージョニストは、居心地のよい客車の旅に似ているかもしれません。
どんなにまわりの景色が変わっても、そこには、変わらない時間があり、すれ違う時代ごと、いつのまにか私たちをどこかへ運んでくれるからです。

ジブリ汗まみれ。今週も、れんが屋には、パントマイムユニットが〜まるちょばのおふたり。そして、日本テレビ麹町診療所所長 久保田有紀子先生が、鈴木さんと、今、TOHOシネマズ六本木ヒルズなどで上映中の映画「イリュージョニスト」をめぐるお話を続けています。

そう、れんが屋もまた居心地のよい客車のようです。



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