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TOKYO FM

MUSIC WORLD MAP 〜ケイナーン〜

ON AIR REPORT / 2021.08.17 update
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音楽で世界を知る/歴史を知る企画 『MUSIC WORLD MAP』
Vol.4 K'NAAN「Wavin’ Flag」 (2009)

いま、世界で「難民」=祖国がない、帰れない人達は何人いるかみなさんご存知でしょうか?
昨年末の次点で8,240万人にものぼります。これは過去最多の人数。コロナウイルスによる影響で移動が制限される中であっても、内戦や混乱によって増え続けています。 (昨年1年の間に、新たに故郷を追われた人は約1,120万人。9年連続で増加)。

帰る場所もない、”ふるさと”と呼べる場所もない。
内戦が続く中東シリア、政治的な混乱が続く南米ベネズエラ、ミャンマーなどは、1年で100万人以上の難民が出ています。・・・と言われても「故郷を追われるってどういうこと?」「どうして難民になるの?」「なんで外国に逃げるの?」と思うキッズたちもいるかもしれませんが、今日紹介するミュージシャンK'NAANを例に出すと、彼はもともとアフリカのソマリアで生まれています。

内戦が長く続いた国で、「ここはもう安全ではない」ということで、1990年カナダのトロントに13歳の時に家族で亡命します。その後ヒップホップで活躍していくのですが、もし彼がそのままソマリアに残っていたらどうなっていた可能性があったか?そんな話をLOVEちゃんはこう解説します。

アフリカのソマリアは遡ると一党独裁体制。一部の部族にしか優位ではない政策を続けていました。結局失敗し、財政破綻。1980年台くらいから「こんな政府は嫌だ!」ということで、反政府勢力が武力で拡大していきます。そこから紛争が激化。K'NAANが1990年に逃げた後、より激化し、武力も兵士も足りないということで、強制的に少年兵を徴兵していくことになります。

子供たちを少年兵に育てて、大人の兵士を守るための使い捨ての兵士としたり、自爆テロの訓練を受けたりしました。だからこそK'NAANは亡命できてよかった…そう思います。

そして、この過程を会話調にした「大人になったら〜Waving Flagsの背景〜」という32ページの絵本をK'NAANは出版しています。なぜ絵本にしたの、と聞かれると彼はこう話しました。

大人になると、外国人や難民、移民を異物として、自分たちとは違う存在だと考えやすいけれど、子どもたちの方が、彼らにも家族がいて愛する友だちがいて、それでも難しい状況から脱出する必要があったということと理解してくれやすいんです。大人よりはるかに子どもたちのほうが、自分と彼らに共通点をどんどん見つけていってくれる。


そして、「Wavin’ Flag」サビはこんなメッセージを残しています。
「ぼくが大人になった時、僕はもっともっと強くなる。そしてみんなは僕を自由の象徴だと呼んでくれるだろう、まるであのはためく旗のように。」


「まさに子供たちと同じように揺るがないだけじゃなくて、揺れながら形を変えて成長していったり、そんな風に自分の思いを揺れる旗に託した1曲です。 (LOVE)」



<LOVEちゃんの話にはさらに続きが・・・>
カナダが2万人の難民を受け入れるニュースがちょうど昨日ありました。
一方ヨーロッパに飛んでみると、この10年くらいではヨーロッパではドイツをはじめとsて人道的な理由で中東アフリカ難民をを受け入れたんですが、2015年パリ、2016年ドイツ。相次いでテロが起こっておりいずれも難民としてヨーロッパとして入ってきた人たちですが、難民申請を却下された人たちでした。「拒絶・暴力・行き場を失った人間がどうゆう末路を作っていくかがヨーロッパを見ていると思うことがあります。

では日本はというと・・・
日本から一番近い難民が多い国は?というとミャンマーやスリランカ。個人的にはとてもいい国民性を持っている国だと思うとLOVEちゃん。日本は難民を受け入れる体制ができていない国ではありますが、この機会に思いを馳せてみてください。

■今日の『MUSIC WORLD MAP』放送を聞き逃した方はこちらから。
(*1週間聴取可能です)

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