新潟県・糸魚川市の『別格』−圧倒的な種類の多さ、能生漁港のセリ−


今週は新潟県上越の糸魚川市、能生漁港で行われている「昼セリ」、昼に行われるセリを見学します。糸魚川は、なぜ、こんなにも多くの種類の魚がとれるのか? その秘密にせまりたいと思います。
お話をうかがうのは、上越漁業協同組合の小野清隆さんです。

−豊富な魚の種類、能生漁港−

住吉さん「これから、セリが行われるんですね。色々な種類の魚が、白い発砲スチロールのケースに入れられて並んでいますけど、何種類くらい?」

小野さん「これで300、400箱くらいですかね。まだトラックがきますので、700、800箱くらいになりますね。魚の種類は、40、50種類くらいです」

住吉さん「この時期、美味しいのは?」

小野さん「夏場はあまりとれないんですが、これからだと、イカや太刀魚、さざえ、あわびですね」

住吉さん「イカも大きいのから、小さいのまで仕分けされて」

小野さん「はい、やっぱり色が鮮やかなほど、鮮度がいいってことですね。とれたては透明感があります。これは、かさご、こっちは、しまだいです。大きくなるとしましまがとれていきます」

住吉さん「フグもとれるんですね」

小野さん「ここは魚種が多いんで、一般の方々が知ってる魚はたいていありますね」

住吉さん「とにかく、魚の種類が豊富なんです。しかも新鮮で、色が鮮やかで、巡っていると魚の図鑑を眺めているようで、楽しいです。さて、いよいよセリが始まります!」

−能生漁港セリ講座! おしょうとは−

住吉さん「セリが始まりました。早口で数字が言われているのですが、全く何を言っているのかわかりません。どんどん紙が魚の箱の上に置かれて、売れていってる模様です。誰が買ったとか、どうやってわかるんですか?」

小野さん「帽子に書いてある番号が仲買人さんの番号なんです。セリをやるひとを『おしょう』って言うんですが、そのひとが品物の名前と落ちた値段を言ってるんです。60とか40とかが値段です。いちばん高い値段をつけたひとがせり落とせる。今も『千円千円千円、21番』って言ったでしょ。千円で21番のひとが買ったということです。おしょうは声で判断するんです。みんな常連ですから声を覚えているんです」

住吉さん「いいおしょうとそうでないひとは、何が違うんですか?」

小野さん「気が強くないと、ダメですね。仲買人さんとの駆け引きですから。あとは魚の名前と相場、日々の情報を覚えていないとダメですね。その場で計算もしなくてはいけません」

住吉さん「ここで買えるようになるまで、仲買人としてどれくらいかかるのでしょうか?」

小野さん「そのひとの勉強次第ですよね。誰も教えてくれないので、先輩について、自分で学ぶしかないですよね」

住吉さん「600箱ほどありましたが、あっという間になくなっていきました」

住吉さん「セリを初めて見学しましたが、とにかく全てが速くて、独特の迫力がありましたね。そして、何を言っているのか、何を交渉しているのか全くわからないままに、気がつくと終わっていました。さて、その能生漁港のすぐお隣にあるのが、道の駅『マリンドリーム能生』。ここにはアスレチック広場や展望台、海の資料館まであるんですが、なんといっても有名なのは、日本一のベニズワイガニ直売所『かにや横丁』です。赤くてツヤツヤしたカニを売るお店が、屋台のように、所狭しと並んでいます。宝寿丸さんというお店で試食させていただきました。お話をうかがったのは、宝寿丸の中村ひろみさんです」

−日本海一のベニズワイガニ直売所「マリンドリーム能生」−

住吉さん「ではベニズワイガニの試食、いってみたいと思います。う〜ん、美味しい〜。こちらの直売所は、日本一と言われていますが」

中村さん「そうですね。これだけの店舗、取引量を考えると日本一だと思います。ここは、漁獲量もちょうどよくて、在庫を見ながらとりにいけるんです。漁場が近いのがいちばんのメリットですね」

住吉さん「足りなくなったら『お父さんとりに行って』と言いやすい距離ってことですね」

中村さん「そうですね。共同作業ですよね」

住吉さん「宝寿丸さんの味のこだわりはなんですか?」

中村さん「ウチは、2種類の塩をブレンドして、ちょうど良くカニの甘さがひきたつように考えています」

住吉さん「いやあ、美味しかったです。塩加減がぴったりで、カニのうまみがね〜。さて、次にお話をうかがうのは、ご自身も居酒屋『漁師の店、伝兵衛水産』を経営している、糸魚川青年会議所の副理事長、伊井浩太さん。今回の糸魚川の旅は伊井さんにご案内していただきました。伊井さんに糸魚川の魚についてうかがいました」

−糸魚川青年会議所の副理事長、伊井さんが感じる糸魚川の魅力とは−

住吉さん「糸魚川の魚の特徴は?」

伊井さん「川が流れ込んで富山トラフがあるので、水深がすごく深くなるんですね。そこにプランクトンが流れ込むので、種類も多く、とてもいい魚が集まります。そして、水深がすぐ深くなるので、普通だと1時間、2時間かけなければならない漁場も、10分、15分でいける。すなわち、とれたての魚がすぐ市場に並ぶっていうことですね」

住吉さん「糸魚川の漁師さんの特徴はありますか?」

伊井さん「跡継ぎの問題はありますが、最近、第一次産業が見直されて、若いひとも増えています」

住吉さん「伊井さんも跡継ぎで漁師なんですよね」

伊井さん「ええ、そうです。一緒に船にのってると親子喧嘩しますけど(笑)。毎日、春夏秋冬、こんなに色々な魚がとれる場所は日本全国探してもないです。その日の天気などから、漁法やとる魚を決めて、非常に毎日楽しいです。糸魚川の漁師さんは、飲んだら素晴らしいです。気も荒くて、口も悪いですが、やさしく、まじめないいひとが多いです」

住吉さん「伊井さんが思う、糸魚川の魅力はどんなところですか?」

伊井さん「残っている原風景ですよね。日本のあるべき姿がここにある。海があって、山があって、川があります。自分たちが育った街だから何もないじゃなくて、自分たちが自慢出来るような街を目指して活動しております」
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