昨年のことになりますが、
千島列島でマグニチュード7・9の地震が発生して
北海道から東海の広い範囲にかけて、津波警報や注意報が出されましたね。
あわせて21の市町村、6万人以上に避難勧告も出されました。
私も先輩・藤丸アナからのメールで知って、会社に急行!
津波報道チームの一員として当たりました。
結果的に大きな被害が出なくて本当によかったと
胸をなでおろして帰途に着きました。
あの時、警報の段階では
場所によって高さ2メートルの津波に警戒が必要と発表されましたが、
結果的には三宅島で観測された80センチが最も大きかったんです。
 
でも!津波はたとえ数十センチの高さでも、
足元をすくって簡単に人を飲み込むこと、ご存知ですか?
そこで今回は改めて『津波』について、基礎情報を
ここでお伝えしたいと思います。
 
まず、津波がやってくる=大きな地震を感じたあと、とは限りません。
今回のケースがまさにそうでしたが、大地震が遠く離れた海底で発生した場合、
陸地では震度1や2くらいにしか感じないこともあります。
でも、揺れは海水を伝い、それが大きな津波となることがあります。
そこで、もしあなたが海岸にいるときに、
例え小さくても地震の揺れを感じたときは、必ず海から急いで離れてください!
 
そして、もしあなたが海辺で車に乗っているときに地震を感じたら、
長くクラクションを鳴らして、海に入っている人に地震の発生を教えてあげてください。
実は海の中にいると、揺れって分からないんですよね・・・
この時期、サーフィンをやっている方も多くいます。
誰かが伝えてくれる、なんて思いではなく、
あなたが彼らの命を救ってあげてくださいね!
 
さて、急いで避難をする上で一番気をつけなければいけないこと。
それは、津波から逃げるときは、海岸から「より遠く」ではなく、
「より高い」場所を目指して避難する、ということです。
このとき、高台などに避難することがベストなんですが、
どうしても間に合いそうにない場合は、
最低でも10メートル以上の高さ、ビルで言うと3階以上に避難してください。
 
地域によっては、『津波避難ビル』というものもあります。
地震が発生してから津波の到達までに
津波に飲み込まれない場所まで歩いて避難できない住民を守るための、
“高台代わり”になるビルです。
標識が設置されているので、海辺で遊ぶときなどは一度
周りの高い建物を見回して確認しておくことをお勧めします。
 

津波避難ビル.jpg
 
 

津波避難場所.jpg
 
 
ちなみに、津波の速さは予想以上に速くて、
時速600キロ、新幹線の2倍以上の速さの場合もあります。
震源地が陸地に近い場合は、わずか数分で襲ってきます。
第1波が小さくても、これも今回のケースのように、
第2波、第3波の方が大きいことがあるので、油断は禁物です。
津波警報や注意報が解除されてしばらくは絶対に海岸には近づかないで下さい。
 
いかがですか?海沿いにいれば、誰もが津波に襲われる可能性があります。
基礎知識、しっかりと頭に入れておいてくださいね!