『緊急地震速報』
この言葉、最近よく耳にすると思います。
緊急の、地震の、速報。
よく知らない人でも、字を読めばなんとなく分かる!と思うでしょうか?
 
このシステムは気象庁が行なっているものです。
簡単に説明すると・・・
例えば。
 
東海地方の海の底で大きな地震が発生したとします。
でも、私たちがいるこの東京には
地震の実際の揺れが届くまでに、少し時間がかかります。
(仮に20秒としますね)
 
その『すでに発生している地震』のP波とS波が
日本の様々な所に設置されている地震計のうち
震源に一番近い地震計によってキャッチされ、瞬時に解析・データ化、
気象庁(の機関のひとつ、気象支援センター)に送られます。 
そこで、周辺の地域ではいつ/どのくらいの大きさの
実際の揺れが起きると考えられるかを計算して
各地の端末にお知らせをするというシステムなんです。
 
端末の種類は色々ありますので一概には言えませんが、
例えば半蔵門にあるTFMにいた場合、
ある端末では『あと20秒後に震度6の揺れがきます』のように
表示されます。
 
こう説明すると、
なんて素晴らしいシステムだろう、と思われる方も多いかもしれません。
でも、やはりこの緊急地震速報には限界もあります。
 
例えば、直下型地震では通用しないということ。
それから、データにはまだ誤差があって、
確実に信頼できるとはいえないことなどが主に挙げられます。
 
そして、この緊急地震速報、実は去年の8月から
鉄道会社や建設会社などに先行して
有料ですでに配信されているんですが、
いわゆる一般市民向けのテレビやラジオを使った情報の運用は
今年の秋まで延期される見通しとなりました。
なんでもっと早くスターとしないんだ!と疑問に思う方もいると思います。
でも、そこにはこんな問題点もあるんです。
 
いま一番心配されているのが、
速報が伝えられた人がパニックを起こしてしまい、
2時災害につながるということ。
千葉大学が行なった
高速道路での運転を想定したシミュレーションでは
前後して走る2台の車の前の車だけに速報を伝えた場合、
前の車が急ブレーキをかけ
20%が追突事故を起こしたということです。
 
そして、日本民間放送連盟がおこなったアンケートでは
緊急地震速報の内容を知っていたのは
たったの4人に1人、
名前すら知らなかったと言う人が3人に1人いました・・・
 
素晴らしいシステムでも、完全に導入するには
まずは、国民ひとりひとりが緊急地震速報について
正しい知識を持つこと。
そして、速報が出されたときに正しい対応が取れるようになることが
何より重要です。
『何か便利なものがある!』ではなく、
自分の命を守ってくれ得る存在だからこそ
『自分の命を救ってくれ得る存在にする』という気持ちで
このシステムに注目していきましょう!