2007年02月18日

空で技あり!空師さん

今日のスタジオにお迎えしたのは、「空師(そらし)」という、変わったご職業の方。
空師ってなんだろう?どんな方がいらっしゃるんだろう?と、ワクワクしてお待ちしていました。
スタジオに現れたその「空師」熊倉純一さんは、もうどこから見ても、
「カッコイイ親方っ」な方。
オトコっぽさ満点の、ちょっぴりベランメエなその語り口と、一本気でまっすぐなその心意気に、
ハチドリ高柳は、もう胸キュン(←死語)だったのでした。

そんなドキドキ高柳に熊倉さんが語ってくださった、「空師」のお仕事、
一言で言うと、狭い家々の間や障害物があるところに立っている木を切らなければいけないとき、
根元から切らずに木に登り、上から少しずつ枝払いや伐採をしながら、
最終的にはその木を、「材木としてちゃんと使えるように」切ってあげるお仕事。
上からクレーンで幹をつったまま、下のほうで幹をすっぱり切ったり、
高い幹に登って命綱ひとつつけただけで枝を払ったり、とにかく危険と隣り合わせのお仕事です。


何でも熊倉さんは、中学生のときに近所に「空師」の方がいて、
その方のお仕事をお手伝いしているうちに、「空師」から離れられなくなってしまったのだとか。
以来15年間、「空師」ひとすじのベテランでいらっしゃいます。
最初は熊倉さん、神社の木を切ったりしている親方をごらんになって、
「あ、木を切るなんてこんな悪いことして、絶対タタリがある、絶対なんか悪いこと起こる」と、
思われたんですって。
でも、だんだんお仕事をしていくうちに、
「木には、切らなければいけないものもあるんだ」ということや、
「切ってあげるほうが幸せな木もあるんだ」と言うことに気づき、
徐々に気持ちが変わっていらしたのだそうです。
また、熊倉さんは木を切るとき、必ず心の中で手を合わせ、
「切らせていただきます」と挨拶なさるのだとか。
そうすると、木のほうもちゃんとそれをわかって、「お前だったら切ってもいいぞ」と、
言ってくれているような気までするんだそうです。


「気のせいかも知れませんけどねっ。」と、照れたように頭をかいていらした熊倉さん、
でも、その瞳には木に対する愛情があふれていました。
だから熊倉さん、例えば個人宅の木を切ったりしたときには、
「必ず、また新しい苗を植えてくださいね。」とお願いされるのだそうです。
そうすれば、木はとてもサステイナブルな資源。
石油や石炭、天然ガスなどの化石燃料に乏しい日本は、
昔から、この日本の貴重な資源「木」を、とても上手に使ってきました。
木は、切ってもまた植えれば、長い年月をかけて育ってくれて、
私たちの生活をさまざまな形で支えてくれます。
ただ切ってしまう「森林伐採」はダメだけど、計画的な「植林」と「間伐」は、
森を育てる、大切なプロセス。
その違いを、私たちもきちんと知っておくべきなのかもしれませんね。
今日、熊倉さんのお話をうかがいながら、改めて「木」の素晴らしさに気づいてしまった、
ハチドリ高柳だったのでした。
投稿者: 高柳恭子
2007年02月18日

甘いチョコはこれだ!

今日はいよいよバレンタインデー!
ハチドリ高柳も、気合を入れてピンクのセーターでお出迎えです♪(仕事後の予定はありません)
そんな気合ムンムンのスタジオに遊びに来てくださったのは、
私も大好きなお店、『People Tree』の胤森(たねもり)なお子さん!
アルパカのセーターが素敵な、ふんわり優しい雰囲気をまとった女性でした。


そんな胤森さんに教えていただいたのは、まずフェアトレードの仕組み。
チョコレートが、おそらく1年で1番売れるこの時期に、
チョコレートの原材料カカオが、どんな風に作られ、輸入されるかを、
しっかり知っておこう、ということです。
ちなみに、『People Tree』のチョコレートに使われているカカオは、
主に南米の、ボリビアという国で作られています。
ボリビアでは、カカオを作っている農家はそんなに大きくありません。
家族単位で細々と、そして一生懸命カカオ生産に精を出しているのです。
大切なのは、そのカカオ農家を守り、支援していくこと。
彼らに適正な価格を示し、「必ずこの値段で買い取るから、がんばって作ってね」という、
約束(=契約)をすることです。
それも、一回買ったら終わり、というのではなく、
「○年は、絶対に買い取るからね(=長期契約)」という約束もすることです。
その部分を買取側が保証することで、農家の人々は安心して、
カカオ生産だけに力を注ぐことができます。
そうして、絶対的な売り上げが保証されていれば、わずかの収入増のために農薬をまいたり、
人件費の削減を図るために児童労働を強要する必要もなくなる、というわけです。
すると、買い取る側としても、農薬などにまみれていない、
おいしくて純粋なカカオが手に入る、という、両者にとって、
需要と供給のバランスがあった、優れた取引法。
それが、フェアトレードの仕組みです。
そして、私たちひとりひとりが、その仕組みにどんな風に参加できるかっていうと、
そういう商品を選んで、買うことで、しっかりと参加することができるのです。


同じチョコレートを選ぶにも、今まではカカオがどこの産地のもので、
どうやって作られているかなんて、知りませんでしたよね?
でも、それをきちんと知って、「生産方法が優れているもの」を選ぶことで、
貧しい生活にあえぐ人たちを、遠いこの日本から支援することができるのです!
それって、すごくいいことだと思いませんか?

しかも、もうひとついいことは、このフェアトレードのチョコレートって、本当においしいこと!
今日来てくださった胤森さんは、板チョコをいくつも持ってきてくださったのですが、
ハチドリ高柳は、番組中に胤森さんとお話しながらモゴモゴ、
番組が終わって、胤森さんとお別れしてからもムグムグ、
次の番組がスペイン坂で始まってからもモシャモシャ・・・。
んー、おいしー♪
本当に、今まで私が食べていたチョコって、何だったの?と思うほど、
とろけるような濃厚さが、とてつもなくおいしいのです。
胤森さんは、「マガイモノが一切入っていないので、
私たちのチョコは26度で溶けてしまいます。だから、夏場は売れないんです。」と、
びっくりするような発言を。
ってことは、夏場でも元気にスーパーに並んでいるチョコたちは・・・。
うーん。これは、またちゃんと考えなくちゃいけないことが増えちゃいましたね。
フェアトレードの甘〜いチョコレートをおいしくいただきつつ、
ちょっぴりビターな物思いにふける、ハチドリ高柳だったのでした。
投稿者: 高柳恭子