ここのところ、エネルギーや原発の問題など、
割と科学系のお話が多かった『Hummingbird』、お勉強をたっぷりした感じです。
でも、そろそろ脳みそが疲れてきたハチドリ高柳、今日のスタジオにお迎えしたのは、
見ただけで心癒され、幸せになってしまうような映画をお作りになっていらっしゃいます、
映画監督の龍村仁さんです!

(実は、編集長が龍村さん制作の映画を見て、「どうしてもこの監督に会いたい!」と、
会議で声を大にして叫んだことから実現したブッキングです。)

元々、NHKでフィルムドキュメンタリーのお仕事をされていた龍村さん、
フリーになられてから制作なさった『地球交響曲−ガイアシンフォニー−』シリーズが、
観客自身による活発な自主上映活動でどんどん広まっていき、
現在第6番まで公開されています。
出演されているのは、ダライ・ラマ14世、ジェリー・ロペス、ジャック・マイヨールに、
エンヤ、と、そうそうたるメンバー。
そして、その根底に流れるのは、『ガイア理論』という、ある説。

「実は以前、イギリスのジェームズ・ラブロックという科学者が、
『地球はそれ自体が大きな生命システムである』という理論を打ち立てました。
そして私が創った『地球交響曲』は、このガイア理論に勇気付けられて、
スタートしたんです。」

では、もし地球が大きな生命体であるとすると、
今は人間って、まるで地球上のガン細胞のように言われていますが・・・。

「大丈夫。あのね、生命体が何か危機に瀕したときって、最後のエッジの部分で、
必ず大規模な自浄活動に入る動きが出るわけですよ。それで回復する。
今は地球が、要するに悪性の肺炎にかかってるようなものだから、それを治す為に、
必ずや地球は、何かの手立てを講じると思いますよ。」

なんだか、龍村さんに言われると、本当にそうなのかな、という気がしてしまいます。
しかも龍村さん、あんな素晴らしい映画をお作りになっていらっしゃる監督なのに、
ちっとも気取ることなく、なんだったら若干べらんめい調でお話しくださるので、
楽しくてオモシロくて、あっという間に時間が過ぎてしまいました。
こんな方が、これからも環境問題のことをお話しくださったら、
みんなきっと、とてもよく耳を傾けてくださるんじゃないか、と思ってしまいました。
編集長も、番組が終わっても龍村さんを離さず、
ずっと色々なことを話し続けていらっしゃいました。
話は尽きず、「また会おうな!」なんて言ってくださってお別れした、素敵な出会い。
こんな関係が生まれる瞬間があるから、番組を続けているのかな、とすら思います。
そんな素敵な龍村さんがお創りになった映画、『地球交響曲』、
アナタも一度、ぜひご覧になってみてくださいね!

ちなみにこれは、第二番。この表紙がとても好き♪
投稿者: 高柳恭子
2008年03月05日

ツバルの子供たち♪

地球温暖化が叫ばれ始めてから、にわかに世界中に注目をあびている国、ツバル。
「世界で一番最初に沈んでしまうかもしれない国」として、有名になりました。
もし、私たちの住む国、日本が沈んでしまうかもしれないと言われたら・・・?と、
考えはするけれど、行ったことも見たこともない、このツバルという国の危機的な状況を、
本当に自分のこととして感じられている人は、まだまだ少ないような気がします。
ということで今日は、そんなツバルに実際に赴き、そこに住む子供たちの表情や、
彼らが描いた絵を写真におさめた方をお迎えしました。
医学博士で写真家でいらっしゃいます、山本敏晴さんです!

(NPO法人『宇宙船地球号』の事務局長でもあり、『国際協力師』という、
新しい職業を提唱して、「本当に意味のある国際協力」を求め活動していらっしゃいます。)

医師として、写真家として、世界の70カ国以上を訪れ、
40カ国以上でプロジェクトを実施された実績をお持ちの山本さん。
今回は、『地球温暖化、沈みゆく楽園ツバル』を出版されました。
その本の副題に、「〜あなたのたいせつなものはなんですか?〜」と付いていたのに、
ハチドリ高柳は目を惹かれました。

「地球の温度は、21世紀の間に最高で6.4度上昇し、海面は最大で59cm上昇する、
といわれています。ツバルの土地の高さは、平均でおよそ1m。
全てが1mあるわけではありませんから、本当に沈んでしまうかもしれないんです。
そんな国の子供たちが、何を考え、どんなものを大切に思っているかを、
知りたいと思いました。」

確かに、私が青年海外協力隊で2年間暮らした島、コスラエ島も、
満月の大潮になってしまうと、
家中、胸の辺りまで水びたしになってしまう家がありました。
温暖化の影響は、私たち日本に住む人々には見えていないだけで、
実際に、日々体感している人たちがたくさんいるのです。
そして、山本さんの写真集を見せていただいたとき、
コスラエ人とあまりにも顔がそっくりな子供たちに、胸が詰まる思いがしました。
彼らが、「たいせつ」と言っていたものは・・・。

ツバルの美しい砂浜」  (ノウアラ 10歳 女子)
ツバルの美しい夕暮れ」  (イエファタ 15歳 男子)
人々のつながり」  (ミロ 10歳 女子)
学校」  (モエペティ 13歳 女子)
いろいろな、ちがう考えの人たちが、それでも手をつなぎあい、仲良く暮らすこと
  (ジャプア 13歳 女子)

自分たちはほとんど出していないCO2の被害をまともにかぶり、
沈んでいこうとしている、ツバルという国。
その子供たちは、そんな哀しい現実に直面しているからこそ、
その国の美しさと、地球の大切さを、より一層愛しく想い、
守ろうとしているのかもしれません。

日本からは見えない、遠い遠い場所にある、美しい島に暮らす子供たち。
アナタも、一度ぜひ山本さんの写真で、その目の輝きをご覧になってみてくださいね。
きっと、何かを感じてもらえると思います。
投稿者: 高柳恭子
2008年03月05日

ロッカショって?

先週一週間は、「新しいエネルギーの可能性」について、
色々な専門家の方をお招きしてお話しいただきました。
ハチドリ高柳は、毎日ワクワクしながら、「こんなエネルギーがホントに使えたら、
化石燃料がなくなる心配をしなくてすむようになるなぁ」と、
この明るい未来のお話をうかがっていました。

そこでふと気になったのが、「今」のエネルギーの問題。
日本は、エネルギーの問題を様々に抱えています。
そのひとつが、青森県・六ヶ所村の「核燃料再処理工場」。
それは、何をする工場なのか、正確に把握している人は少ないような気がします。
そこで最近、この「六ヶ所村核燃料再処理工場」のことをわかりやすく説明した本、
『ロッカショ 2万4000年後の地球へのメッセージ』が発売されました。

(これがその本。わかりやすくて、超☆おススメです♪)

ということで、今日はその『ロッカショ』の編集に積極的に携わられた、
アーティストのSUGIZOさんと、そのSUGIZOさんと本の中で対談をされた、
自民党・衆議院議員でいらっしゃいます、河野太郎さんをお迎えしました!

(今日の話題については、堀内さんも興味津々!いつにも増して、熱心でした!)

まず、SUGIZOさんはどんな気持ちでこの本の編集に携わったのかうかがいました。

「やっぱり、多くの人がこの工場について、知らないってことが問題だと思いました。
だから、少しでも多くの人に知ってほしい、そんな思いで作りましたね。」

では、河野さん、この「六ヶ所村核燃料再処理工場」とは、何をする工場なんですか?

「原子力発電所でウランの燃料を燃やすと、『使用済み核燃料』という、
ウランの燃えカスが出ます。日本の原子力発電所はどこも、この『使用済み核燃料』を、
ずっと原子力発電所の貯蔵プールに貯めてきました。でも、この貯蔵プールが、
もういっぱいになりそうになってるんです。一方で、この『使用済み核燃料』は、
六ヶ所村に出来た『核燃料再処理工場』で化学処理すると、
プルトニウムという物質を取り出すことが出来ます。そして今度は、このプルトニウムを、
『高速増殖炉』に入れると、投入した以上のプルトニウムを取り出すことが出来、
要するに、原材料のリサイクルが出来る、というわけなんですね。
六ヶ所村の核燃料再処理工場は、その循環の輪のひとつ、と言ってもいいかもしれません。」

と聞くと、夢のリサイクルのような気もしますが・・・?

「問題は、今『高速増殖炉』が、事故を起こして停止したまま止まっている、
ということなんですね。つまり、プルトニウムを取り出しても、
まだリサイクルは出来ないんです。
だから、今急いで六ヶ所村の向上を動かす必要があるのかな、
という疑問がわいてしまうわけです。」

なるほど。出来たものが、どこにも行かずつっかえちゃうわけですね。

でも、そんな事実も今まであまり報道されてきませんでしたよね。
だから、人々はあまり、この六ヶ所村の問題を知らないのかもしれません。
そんな人たちのために、今回出版されたこの『ロッカショ』はぴったりです。
わかりやすい言葉で、いろんなことをきちんと説明してくれています。
ちょっとでも興味がある、という方は、ぜひぜひ読んでみてくださいね!
投稿者: 高柳恭子
新しいエネルギーについて勉強してきた1週間も、今日が最終日。
メタンハイドレートにヘリウム3、そして水素エネルギー。
どれも、大きな可能性を秘めた、未来のエネルギーの形でした。
そして今日お届けするのは、『地熱エネルギー』のお話。
日本は火山も多く、技術水準も高いので、もっと地熱エネルギーが注目されても、
いいのではないかと思いますが、『地熱エネルギー』って、言葉すら聞いたことがない方も、
いらっしゃるのではないでしょうか?
ということで、今日はその『地熱エネルギー』について教えてくださる方を、
お迎えしました。
作家の、真山仁さんです!

(小説『ハゲタカ』で一躍注目を浴びた真山さん、最近、
エネルギーの情報をちりばめて描く大型小説『マグマ』の、文庫化が決定!)

まずは基本的なことなのですが、『地熱エネルギー』って、どんなエネルギーなんですか?

「主に、火山活動による地熱を用いて行う発電のことです。
日本は火山国だから、地面の中にエネルギーがいっぱい埋まってるんですよね。
簡単に言えば、温泉と同じです。地中深く掘っていくと、
何百度にもなる温泉のような湯だまりがある。そこから水蒸気を取り出し、
その蒸気でタービンを回すことで発電するわけです。化石燃料を使わない、
完全にクリーンなエネルギーですし、なんと言っても国産でまかなえますから、
日本はこのエネルギーをもっと見直すべきなんですよね。」

おぉ!すごいじゃないですか!!そんな素晴らしいエネルギーが足元に眠ってるのに、
どうして日本は、積極的にそのエネルギーを使おうとしないんでしょう?

「実は、有力な地熱エネルギーのエリアは、国立公園の中にあることが多いんです。
国立公園は、景観の保護などの見地から、地熱を取り出すための穴をあけたり、
パイプを通したりが出来ない。それから、温泉街との兼ね合いもあります。
地熱は、やはり温泉が出るところの近くにあることが多いので、
もしも地熱のために蒸気を取り出すことで、温泉が沸かなくなってしまうのではないか、
という懸念もあります。そういう因果関係は、今のところ確認されていないんですけど。」

そうか。。。火山国である日本は、地下にたくさんのエネルギーを秘めているんですね。
それを使わない手はない!とは思うものの、色々な兼ね合いがあるんですね。

今回、1週間を通してエネルギーの問題を勉強してみて、改めて、
大切な化石燃料をもっともっと大事に使わなければいけないことが、よくわかりました。
もちろん、メタンハイドレートもヘリウム3も、水素も地熱も、
ワクワクしちゃうくらい実現可能な、未来のエネルギーであることは確かだけれど、
だからと言って、すぐに化石燃料にとって代わって、
同じように十分まかなえるようなものではないことが、わかってしまいました。

それを考えると、本当に石油って偉大。その大切な石油を守るためにも、
レジ袋はもらわない、とか、近所ならクルマでなく歩く、など、
石油を出来るだけ節約できるような生活スタイルにシフトして、
石油を大事に大事にしていきましょうね!
投稿者: 高柳恭子