能登半島を大きな地震が襲った日から一夜明けた今日、
東京のスペイン坂スタジオにお迎えしたのは、ジャーナリストで水の専門家、高杉晋吾さんです。
高杉さんは、フリーランスで教育、医療、環境分野を中心に活動なさっているジャーナリスト。
特に「水問題」の専門家、ということで、災害時の水供給などをお伺いしようと、
お越しいただきました。前日の地震の影響で、今だ断水している地域がある、能登地方。
「地下水は日本の最高の資源であり、日本人の生命の根源であり、
文化的宝である」とおっしゃっている高杉さんに、災害時の、
地下水の有効活用法についてうかがいました。
まず、日本には、基本的にどの地域にも地下水があって、
整備さえすれば、それをうまく活用することが可能なのだそうです。
今の日本の現状だと、たくさん降る雨水も流しっぱなし、
地下水もためずにそのまま放置しているため、地域によっては(特に東京の一部の地域など)、
地下水の水位がどんどん高くなってきていて、その上に乗っているビルなどが、
倒れてしまわないように重石をしているところまであるのだとか。
でももちろん、災害があっても、その水を活用することは全く出来ません。でも、例えば阪神淡路大震災のときにもあったように、琵琶湖から引いていた水道管は、
地震によって各所で分断され、被災者の方々は、長い方では何ヶ月にも渡って、
水のない生活を強いられてしまいました。
また、水の不足から、火災の延焼を止めることが出来なかったことも、
被害を大きくした一因といわれています。
ですから、地下水をきちんと整備して地下に貯め、災害時に使うことは、
「水の国ニッポン」として、とても有用な手段なのです。
「どうして、あまり地下水が使われないんですか?」というストレートな質問に、高杉さんは、
「うーん、やっぱりそれは、高度経済成長期にたくさん作ってしまった、
ダムの弊害じゃないですか・・・。」と。
そう。なんとひとつ作るだけで、高層ビル700個分の経済効果がある、といわれるダム建設。
それが戦後の日本の復興を支えた大きな要因である、という背景も、
いつでも水道をひねれば水が出る、便利な生活が出来るようになった、という豊かさも、
私自身、否定するものではないけれど、やっぱり、
それだけに漫然と頼っていくことにも、不安を感じます。
特に、大地震があれば必ずやライフラインが分断されることが容易に想像できる状況で、
しかも地震大国の日本で、そのことに対する備えがあまり出来ていないことに、
ハチドリ高柳は、大きな危機感を感じているのです。
高杉さんがおっしゃるには、地下水はきちんと整備して、浄化して、貯めておけば、
飲料水にさえなりうる、日本の貴重な資源。
日本の各都市で、もう少しその有効な使い方の論議がなされてもいいのではないかな、と思った、
ハチドリ高柳でした。