2008年02月26日

ザ・未来エネルギー!

未来のエネルギーについて考える1週間の『Hummingbird』、
今日お迎えしたのは、以前にも来ていただいて、
Hummingbirdの「専属(?)月博士!」でもいらっしゃいます、
会津大学情報センター助教の寺薗淳也さんです!


(わざわざ、会津から駆けつけてくださいました。
おまけにお土産に『ままどうる』までいただいてしまって・・・!ありがとうございました!!)

月探査の第一人者でいらっしゃる寺薗さん、
月については右に出る者のいない専門家でいらっしゃいます。
そんな寺薗さんが、月に眠る『ヘリウム3』なる物質のお話をして下さるというのですが、そもそも、『ヘリウム3』って、何でしょうか・・・?

「『ヘリウム』って、あの吸って声を出すと「があがあ」って声になっちゃうガス、
ありますよね。あれです。あれのちょっと変わった形が『ヘリウム3』ですね。
それが、月にある砂の中に吸収された形で存在するんですが、そのエネルギー量は膨大で、
月から数トン持ち帰れば、日本の電力を1年間まかなえると言われています。」

えぇっ!?月にそんなエネルギーがっ??
でも寺薗さん、「持ち帰れば」っておっしゃいますけど、持ち帰れるものなんですか?

「ま、月から持ってくるのは逆にエネルギーもいっぱいかかってしまいますから、
逆に、『月で発電する』って言う手がありますよね。要するに、月に発電所を作って、
そこで発電して、それをビームのような形で地球に発射して、
地球では、CSチューナーのお化けみたいなお皿で受ける。
その方が簡単かもしれません。」

おぉっ・・・・・。あまりにも宇宙的な話で、ビックリしてしまいました。
でも、それって現実に実現可能な話なんですか?

「そうですね。あと50年くらいで実用化が進めばいいな、と思ってます。
そしてその技術は、うまくすると日本が開発できるかもしれないんですよ。
日本の宇宙関係の技術は、世界でもトップクラスですからね。」

すごい!「月の発電所」を日本が作れたら、本当に世界に冠たる大発明ですね!
でも、そのヘリウム3、勝手に月から持ってきちゃって、いいんですか?
「いや、一応規定はありまして、宇宙にあるものはどこの国にも属さない、
という約束があるんです。だから日本が独り占めすることは出来ませんけれど、
希望としては、日本がそういう技術を開発して、月からエネルギーをとってきて、
それを、今エネルギーが十分まかなわれていない発展途上国の人たちに分配することで、世界中の人たちがエネルギーを安定して使えるようになるといいですね。」

寺薗さんのお話に、ハチドリ高柳はちょっと感動してしまいました。
日本の技術が、そんな風に世界を救えるようになるかもしれないなんて!
下手をすれば、『宇宙エネルギー争奪戦争』にもなってしまいかねない、
ヘリウム3の問題ですが、日本という国の良心に期待して、ぜひ日本が、
月に発電所を作って欲しい!そして世界を救って欲しい!と心から願った、
ハチドリ高柳だったのでした。
投稿者: 高柳恭子
寒い毎日、ついついエアコンの設定温度を高めてしまいがちですよね。
でも、そこで気になるのがエネルギーの問題。こんなに使っちゃって、大丈夫でしょうか?
ということで、今週は「エネルギーのお話」をうかがう1週間!
石油に代わる、新しいエネルギーの可能性を、一緒に探っていきましょ♪
ということで、トップバッターとしてお迎えしたのは、
「メタンハイドレート」というエネルギーについて研究していらっしゃる、
地質学者で東京大学教授でいらっしゃいます、松本良先生です!


(重い入れ物に入ったメタンハイドレートを、わざわざ持ってきてくださいました。
ありがとうございました!)

1日目、しょっぱなからかなり難しい言葉が出てきてしまいました。
「メタンハイドレート」って、そもそも何かもわかりません。
すると、松本先生、なにやら大きな入れ物を取り出し・・・!

その中から出てきたのは・・・!!

出たっ!これが「メタンハイドレート」!?
ちょっと、発泡スチロールのような、ドライアイスのような・・・?
なにやら、「燃える氷」と呼ばれることもあるそうなんですよ。
これって、一体どんな形で「エネルギー」になるんでしょうか?

「この『メタンハイドレート』、実は日本の周りはもちろん、世界中あちこちの海の底に、
結構たくさん埋まっているんです。埋まっているときは、このような固体なんですが、
エネルギーとして使うときには、ガスの形で使います。キッチンのコンロで火をつけると、
出てくるのは天然ガスなんですが、そのほとんどの成分がメタンガスなんですね。
で、『メタンハイドレート』は火をつければこのままでも燃えますから、
『燃える氷』とも言われたりもしています。
そしてメタンハイドレートから取れるのはメタンガスですから、
とても使いやすいエネルギーと言えますね。」

そうなんですかっ?じゃあ、将来ガスコンロをひねると、
このメタンハイドレートから生産されたメタンガスが出てくる可能性もあるんですね?

「そうです。地中にパイプを埋めて蒸気を入れてあげると、
メタンハイドレートはメタンガスになって、勝手に地上に上がってきます。
取り出すのも、そんなに大変じゃありませんよね。」

なるほど。でも素晴らしいのは、日本の周りの海にもたくさん埋まっている、ということ。
遠く中東から石油を輸送しなくても、
多少なりともエネルギーを日本国内でまかなえるようになれば、
日本のエネルギー事情も大きく様変わりします。
また、今のような原油高の脅威に、世界中がおびえなくてすむようになるわけです。
ひょっとすると、世界のパワーバランスさえ変えてしまうかもしれません。

『メタンハイドレート』。
ひょっとすると、未来を担うエネルギーになるかもしれません。
この名前、覚えておいてくださいね!
投稿者: 高柳恭子