今日は本当に暑かったですね〜。
TOKYO FMの中でも、「溶けちゃうよ〜」という嘆きが、あちこちから聞こえました。
そんな暑さを、魅力的な音楽で吹き飛ばしてもらおう、と、今日のスタジオにお迎えしたのは、
スティールパン奏者でいらっしゃいます、リトル・テンポの土生“TICO”剛さん!
スタジオにも、その大事なスティールパンを持ってきていただきました。

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(そしてもちろん編集長は「個人レッスン」を申し込んで、ご機嫌でたたいています。
それにしてもTICOさん、とても自由な方でいらっしゃいますね。。。)
さて、そのスティールパンといえば、「トリニダード・トバゴ共和国」という、
ちょっと聞きなれない国で、50年ほど前に生まれた、といわれています。
20世紀に発明された、唯一のアコースティック楽器、とも言われているんですよ。
その生まれの由来をTICOさんにお聞きすると、
「すごくいいお話があるんですよ」といって、素敵なストーリーを教えてくださいました。
50年ほど前、当時労働者として雇われ、楽器などを取り上げられてしまった人々が、
ドラム缶に落ちる雨のしずくが、不思議な音階を奏でていることに気づいたのだそうです。
しかも、当たる場所によって、音が微妙に違う・・・。
石油の産出国であるトリニダード・トバゴですから、ドラム缶はいくらでも転がっています。
そこで彼らは、ドラム缶を加工してたたき始め、それがスティールパンになった、ということです。


そして実際に、TICOさんに演奏をお願いすると・・・!
もう、その素晴らしく澄んだ音色に、スタジオの中を透明な風が吹き抜けたようなひと時。
ドレミの音階ももちろん正確にありますし、
TICOさんのスティックの先から繰り出されるその音楽は、
南国で生まれたとは思えないほど涼しげ。
いや、もしかすると、暑い国だったからこそ、涼しくなれる音色が生まれたのかもしれませんね。
編集長と私も、もちろんちょっとたたかせていただきましたが、
私の場合は、TICOさんの音とどうしてこんなに違うの?とがっかりしちゃうような、
しょぼしょぼとした音しか、出すことが出来ませんでした。
そして、トリニダード・トバゴの人たちは、そのスティールパンが大好き!
中でも1年に1回、2月に開かれるカーニバルは、世界3大カーニバルに数えられています。
TICOさんはそのカーニバルを見に、トリニダード・トバゴにいらしたそうなのですが、
「もうホントに、脳みそが溶けておかしくなりそうだったよ。
夜中もずっと、超・大ボリュームの音楽の振動で眠れないんだよね。」と、
その迫力を語ってくださいました。
それを聞いて、編集長はすっかり行く気満々になってましたよ。


でも、そんなスティールパンが生まれた、トリニダード・トバゴってどんな国なんでしょうか?
場所としては、カリブ海の南部に位置し、トリニダード島とトバゴ島の2つの島からなります。
生物種の数では、世界トップ10に数えられているほど、自然豊かな国なのですが、
その理由がオモシロい!
その昔、トリニダード島は南米大陸とつながっていて、そのため、
大陸の生態系と島独自の生物が、狭い地域にひしめき合うように住むようになり、
生物種が増えた、ということらしいのです。
TICOさんは、「海がもうものすごくきれいですよ」と教えてくれました。


いいなぁ。。。
夏もそろそろ終わりを迎えようとしていますが、ほとんど夏らしいことをしていない私、
青い青いカリブ海を見ながら、こんなスティールパンの演奏なんかを聴けたら、
きっと最高なんだろうなぁ・・・と、番組中にぼんやりしてしまいました。
いまだ見たことのないカリブの青に思いをはせながら、しばし夏気分を味わわせていただいた、
ハチドリ高柳だったのでした。