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About毎週月曜日は「プロフェッショナルの素顔」をテーマに、 住吉美紀がゲストのライフストーリーを伺います。

“シリアの今”を“子連れ”で撮り続ける理由は? ドキュメンタリーフォトグラファー・小松由佳が語る

2022.5.20

小松由佳さん、住吉美紀


住吉美紀がパーソナリティをつとめるTOKYO FMの生ワイド番組「Blue Ocean」。“プロフェッショナルの素顔に迫る”をテーマに、各界で活躍されている素敵な方をゲストに迎えて話を伺うコーナー「Blue Ocean Professional supported by あきゅらいず」。

5月16日(月)のゲストは、ドキュメンタリーフォトグラファーの小松由佳さん。今回の放送では、世界第2位の高峰K2に登頂した経験を振り返つつ、写真家としての活動についても語ってくれました。

小松由佳さん


1982年生まれ、秋田県出身の小松さん。山に魅せられ、2006年に世界第2位の高峰K2(標高8,611メートル。パキスタンの最高峰)に日本人女性として初の登頂に成功。麓で生活をする人々から“生きる本質”を感じ、フォトグラファーとして活動を開始。。2012年からシリア内線・難民をテーマに撮影を始め、2021年5月に「第8回 山本美香記念国際ジャーナリスト賞」を受賞しました。


小松由佳さん



◆K2登山を決意した理由は?
住吉:10代の頃から登山がお好きで、国内外さまざまな山に登られていたそうですね。

小松:そうなんです。山に魅せられて20代の半ば頃までは生活の中心が登山でした。

住吉:プロフィールを拝見したのですが、お生まれが秋田県なんですね。東北の山なども登られていたのでしょうか?

小松:はい。最初は秋田県内の山をひたすら登っていました。

住吉:そこから2006年に、母校・東海大学の山岳部創部50周年記念事業(のK2登山隊)に誘われて、エベレストに次ぐ第2位の高さを誇るK2に登頂されるんですね。

小松:はい。山岳部の企画として計画されていたものでした。

住吉:自分1人だったら行こうと思っていなかった?

小松:当時は1人で計画を立てて行くことが難しかったんです。だからチームとしてじゃないと(行けませんでした)。

住吉:お声がかかったときは「行きたい!」っていうお気持ちでしたか?

小松:それがですね、けっこう参加を迷ったんですよ。実は、K2登頂前年の2005年に、エベレストの登頂に挑戦したのですが、高所順応の遅れもあって登頂できなかったんです。

そこで大きな挫折感を経験したので、K2の参加も悩みました。ただ、「そのときにしかできない挑戦をしたい」という思いもありましたし、人から与えられるチャンスは“一期一会”だと感じたので参加を決めました。

◆K2下山で体感した“命の危機”

住吉:このコーナーでは人生の転機を伺っているのですが、やはりK2登頂への挑戦でしょうか?

小松:そうですね。K2に行ったことも転機だったのですが、私にとってはK2から帰ってきたときが大きな転機でした。登頂したときに、8,200メートルの地点で「ビバーク」(註:予定通りに下山できず、山中で緊急に夜を明かすこと)といって、着の身着のままで一晩を過ごさざるを得ない状況になったんですね。生と死の境に立った夜を過ごし、安全な所に(無事に)帰ってくることができた。この帰還の経験が大きな転機になりました。

住吉:自然の大きさを感じた?

小松:何か特別なことをしたり、遺したりしなくても、人間は生きているだけでかけがえがないんだってことに気付かされたんですよ。

住吉:どれぐらいの期間をかけて登られたんですか?

小松:私たちの場合は、全部で2ヵ月間ほどの登山でした。K2に登り始めるベースキャンプという拠点が5,200メートルくらいの所にあって。そこから約3,000メートルの高低差を3つのキャンプを作りながら登ります。各キャンプの移動は1日ぐらいかかります。本来ならば登って3日、降りて1日なんです。

住吉:降りるのは1日!?

小松:酸素が非常に薄いんですよ。酸素の薄さに体を慣らしながら、時間をかけて登っていく必要があります。

住吉:そうか。体を順応させるためにキャンプで何日か滞在することもあるんですか?

小松:そうですね。5,000メートルで普段の酸素量の半分、8,000メートルで3分の1の量になります。

住吉:ええー!

小松:登ったり下ったりを繰り返しながら、酸素の薄さに体を慣らします。

住吉:そういうことなんですね。

日本人女性で初めてK2登頂に成功した小松さん。山頂から下降を始めた際の貴重なカット



◆登山は“登頂”がゴールではない

住吉:リスナーさんから「初の日の出を見るために登山しています。大した標高ではないのですが下山が怖いです。上手な下山方法を教えてください」というメッセージが届いています。さきほど、登っているときよりも降りていくときに命の危機を感じたとおっしゃっていましたよね?

小松:そうなんですよ。下りのほうが体の負担が大きいんですね。

住吉:それはなぜですか? 疲れているから?

小松:疲労も溜まっていますし、人間の体の構造上、下りのときに転んだほうがケガをしやすいんですね。登山はよく「山頂がゴール」と言われやすいのですが、安全なところに帰るのが本当のゴールなんですね。登りで体力を使い果たさずに、余力を残して下ることがすごく大事です。

住吉:リスナーさんの相談に向けたアドバイスは何かありますか?

小松:日頃からトレーニングをして、基礎的な体力をつけておくことが大切です。山に登るときは、体力を残して下りに向かうことが大事かなと思います。

住吉:登っている途中で「今日は体力がなさそうだな」と思ったら、“折り返す勇気”も必要ということですね。

小松:場合によってはそうですし、いかに疲れないで登るかってことも大事だと思います。

住吉:どうやったらいいですか?

小松:ペースを上げ過ぎたりしないで、無理をせずに歩き続けられるように心掛けることかなと思います。

住吉:途中で休憩を挟みながら?

小松:そうですね。

◆シリア取材に子どもを連れていく理由

2012年からシリア難民の取材を続けている小松さん。こちらはヨルダンの首都・アンマンへ向かうバスの中でのワンシーン



住吉:2012年からはシリア難民の取材をされていて、長いスパンを見据えた撮影を続けていらっしゃるとお聞きしました。シリアでは、どんな出会いがあったのでしょうか?

小松:内戦以前、砂漠の暮らしを撮影していたのですが、そこで出会った人たちが生活を失って、難民になってしまったんです。難民としての彼らを撮っているというよりも、彼らが内戦前に送っていた穏やかで平和な暮らしを見てきたので、彼らがその生活に戻っていくまでを見つめていたい……という思いで撮り続けています。

住吉:ライフワークですね。取材を進めるなかで、難民となったシリア人の男性とご結婚して、お子さんもお2人授かったそうですね。

小松:はい。

住吉:2017年からは、なんと“子連れ取材”を実践されているとお聞きしました。お子さんが何歳ぐらいの頃からシリア取材をされているのですか?

小松:長男が1歳になったタイミングです。最初はヨルダンの難民キャンプを取材しました。

住吉:すごい!

小松:今は3歳と6歳になりました。毎年連れて取材に行っています。

住吉:県内の取材ですら、そのぐらいの年齢のお子さんを連れて仕事をするのは大変だと思います。

小松:集中してお話を聞いたり、写真を撮ったりすることはなかなかできないんですけどね。子どもたちもシリアの血を継いでいるので、シリアの人々と出会うことで“自分のルーツ”に立ち返ってほしいという思いがあります。

住吉:そういう思いがあったから、(お子さんを日本に)置いていくという選択をされなかったんですか?

小松:取材に2ヵ月ぐらいかかるので、やっぱり母親が一緒のほうがいいかなと思うんです。子どもを連れていると集中できないのですが、その一方で予想外のハプニングやドラマがたくさん生まれるんですよ。

住吉:人とつながれたりね。

小松:そうなんですよ。私1人で行くよりも、豊かな時間を共有させてくれるんです。

◆世界で起きていることに関心を持ってほしい

住吉:最近は、ウクライナ難民のニュースを観て心を痛めている方も多いと思います。小松さんはどのように感じていますか?

小松:やはり、ウクライナだけではない視点を持つことが大切だと思います。シリアでは、ウクライナで起こっていることがずっと繰り返されています。一般市民が空爆でたくさん亡くなっていますし、ロシアの介入もかなりありました。

現在はウクライナがかなり注目されていますが、それだけではない視点で、今地球で起きていることを知ろうとすること、関心を持つことが大切だと思います。

住吉:その通りですね。小松さんはノンフィクション書籍「人間の土地へ」(集英社インターナショナル)を出版しています。小松さんが戦火のシリアで体験されたことや、旦那様との出会いなどが記された1冊となっていますので、ぜひ手に取ってみてください。

K2登頂後、シリアの人々に魅了された小松さん。内戦前のシリアで撮影した写真の中から「ラクダの放牧中、メッカに向かって祈る男性」



■小松さんが戦火のシリアで体験された、旦那様との出会いなどを綴った著書「人間の土地へ」。詳細はコチラ。

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聴取期限 2022年5月24日(火)AM 4:59 まで

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<番組概要>
番組名:Blue Ocean
放送日時:毎週月~金曜9:00~11:00
パーソナリティ:住吉美紀
番組Webサイト:http://www.tfm.co.jp/bo/
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