今週は九州を中心に大雨が続いて、
洪水や浸水、土砂災害や堤防の決壊など、
大きな被害が出ました。
今回は、国による警戒レベル5段階が導入されてから、
初めての広い範囲での豪雨で、
特に鹿児島市や霧島市など、
市の全域にわたって避難指示が出されたエリアでは
「レベル4=ただちに全員避難」が呼びかけられました。
ただ、実際に市の全員が避難ってどうすればいいのか、
疑問の声が挙がったのも現実です。

では、今後あなたが住む区や市全域でレベル4が出されたとき、
実際にどう行動すべきなのか?
災害社会学などが専門の日本大学
中森広道(なかもり・ひろみち)教授に伺いました。


 市全体が危険な状況にあるとか、
 市から外に出なきゃいけないとか、そう言う状況ではなく、
 それぞれ身の安全を守ってくださいという意味で
 受け取った方が良いです。
 自分がいる場所がもし危険なら、
 指定されている避難所に移動するとか
 安全な友人の家に避難するなどしても構いません。
 また、自分のいる場所が必ずしも危険な場所とは限りません。
 要は、自分の身の安全を守って下さいということなので、
 必ずしも「どこかに行きなさい」ということではないんです。
 各自治体で作られているハザードマップを確認して、
 避難する途中で危険な場所があるかないかを確認することが必要です。
 もうひとつは、ハザードマップは沢山出ていますが、
 地図を読むのが苦手な人もたくさんいます。
 そういった方々に、分かる人がフォローするなどして
 役立て欲しいと思います。



市や区全域がレベル4、全員ただちに避難!と言われたら
焦ってしまいますが、
避難=文字通り『難を避けるため』の最善の方法を
自分で考えて行動に移しましょうということなんですね。
そして、ハザードマップは、自宅の場所だけでなく
どこをどのように通って避難するかを確認する・・・
これは意外と盲点だと思います。
この機会にぜひ、安全な場所ってどこだろう?
そこに行くまでのルートはどこを通ればいいだろう?と
ハザードマップを広げて、考えてみてください。

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