台風15号、19号、
そして先週の低気圧と台風21号による豪雨では
沢山の方が犠牲になりました。
中でも、先週の豪雨で福島と千葉で亡くなった方10人のうち、
半数にあたる5人は、車で移動中に被害に遭っていたことが分かりました。
また、台風19号でも、亡くなった87人のうち25人が
車ごと洪水に飲まれるなどして、命を落としました。
豪雨の時、車での避難はとても危険であることが浮き彫りになっています。
一方で、家族に高齢者がいるなど、車でなければ避難できない家庭もあるでしょう。
そこで今回は【豪雨と車】をテーマに、避難の在り方を考えます。

まず大前提として、どうしても車でしか移動できない事情がある場合には、
雨がひどくなる前や災害が発生する前に、避難を終えておくことが重要です。
特に、自治体が出す避難情報の中でも
【避難準備・高齢者等避難開始】が出たら、躊躇せず、
すぐに避難をしてください。
このタイミングでスムーズに避難を開始するためには、
持ち出し袋を普段から準備しておくなども必要です。

豪雨の時に車はどのような状況になるのかも正しく知っておきましょう。
車に乗っている時に道路が浸水・冠水した場合、

まず水深10〜30?で、ブレーキ性能が低下します。
ですから、目安としては水がくるぶしを超えた段階で、
車を安全な場所に移動してください。

また、水深30〜50?では車のエンジンがストップすると言われています。

そして、50?を超えると、水圧でドアや窓が開かず、車に閉じ込められます。
車が水に浮いて流されることもあるので
こうなる前に一刻も早く車から避難しましょう。

そして、車が走れる状態であっても、
思わぬ場所で車ごと水没してしまう可能性があります。
それが【アンダーパス】。
幹線道路や鉄道などと立体交差し、その下を通る道路のことです。
アンダーパスとなっている道路は周りより低いので、
急激に雨が降った時には排水が追いつかず、水が深くたまる恐れがあります。
そして、激しい雨が降っているときは視界が悪いので、
水が溜まっていることに気が付かず突っ込んでしまい、命を落とします。
どこがアンダーパスなのか普段は意外と気が付きませんが、
都内だけでも、注意が必要なアンダーパスは135箇所もあります。
国土交通省のサイトで注意箇所の地図が都県ごとに公開されているので
車によく乗る方は、是非一度確認しておいてください。
http://www.ktr.mlit.go.jp/road/bousai/road_bousai00000001.html

また、今回の台風では、河川の氾濫によって大きな被害が出ました。
国土交通省や都道府県では、大きな河川がはん濫した場合、
水の深さがどこでどれくらいになるか、
どれくらいの期間、水が引かないのかを地図に落とし込んだ
浸水想定区域図というものを出しています。
http://www.mlit.go.jp/river/bousai/main/saigai/tisiki/syozaiti/
自治体の洪水ハザードマップと併せて必ずチェックしてくださいね!
古賀涼子でした。

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