台風19号の上陸から1か月が経ちました。
亡くなった方は90人を超え、
その後の豪雨などもあって
今も各地で沢山の方が避難生活を送っています。

台風19号では、15号の被害が残る中だったこともあり、
避難勧告や避難指示を受けて、実際に多くの方が避難しました。
これ自体は本当に良いことだったのですが、
一方で、「だからこそ」の大きな問題も起きました。
それが、避難所が満員で入れないというもの。
都内では世田谷区や大田区、足立区や葛飾区など
10を超える自治体で実際に問題となりました。

当時、入れなかった人に対しては、
近くにある別の避難所を案内したケースが殆どだったようですが、
高齢の方や小さな子ども連れの場合、
雨風が強まる中でまた移動しなくてはならないのは大変なことです。
よく『早めの避難を』と言われますが、
これは確実に近くの避難所に入るためでもあることが
今回、改めて分かりました。

そして、早めに避難すると、
避難所の中で、より過ごしやすい場所を確保することもできます。
逆に、定員ぎりぎりで避難所に着いた場合、
空いているのが出入り口やトイレのすぐ近くなど、
人の行き来が多かったり、
寒さ暑さの影響を受けやすい場所のことも多いんです。

また、避難指示や避難勧告の前の段階、
『避難準備・高齢者等避難開始』の段階などで
早めに避難をすれば、避難所に着いた後で
「あれを持ってくればよかった!」と言うことがあっても
余裕をもって一度、家に戻ることが出来たという声も
ツイッターで見られました。

さらに、開設されたばかりのタイミングで
避難所に入ることが出来れば、
毛布やスリッパなども十分に貸してもらえますが、
その後は足りなくなることもあります。
もちろん、避難所での助け合いや分け合いは重要ですが、
自分や家族の避難生活を少しでも快適なものにするためにも
やはり早めの避難が重要なんです。

一方で、避難を考える上でもうひとつ重要なのは、
避難所に行くことだけが避難ではない、ということ。
台風のように上陸することが数日前から予測できる場合などは、
遠方に住む家族や友達に会いに旅行に出てしまうなども、
れっきとした避難です。

特に最近の台風や豪雨では、区や市全域に避難指示が出て
どこに行けばいいのか、混乱するケースもあります。
『難を避ける行動』は全て『避難』。
このことを頭の片隅において、
避難のタイミングや避難場所、避難経路など
家族で想定を見直してくださいね。
古賀涼子でした。

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