東京都練馬区にある遊園地「としまえん」が、段階的に閉園し、
跡地を再開発する話が進んでいることが、このほど分かりました。
跡地の大半は、東京都が買収して、防災機能を持つ公園が整備される
見通しで、この春にも正式決定する可能性があるということです。

都は、東日本大震災の後、帰宅困難者の対策を進めていますが、
この「としまえん」の跡地に新しく作る公園は、震災の時、
被災した人の避難場所や救助活動などの拠点になる
「防災公園」として機能する見込みです。

ところで、今、都内には「防災公園」がいくつあるか、
ご存じでしょうか?
答えは、62カ所です。

代々木公園や、駒沢オリンピック公園、葛西臨海公園など62の公園を、
東京都建設局では、地域防災計画に基づく「防災公園」としています。
そして、この「防災公園」、災害が起きた時に役立つ施設が整備されて
いるんです。

例えば、防災トイレ。
災害で断水すると、トイレを使用した後、水が流せなくなりますね。
そこで、マンホールのふたを開けると、
汚水の管に直接つながった穴があって、
そこに用を足せるようになっている「マンホール型 防災トイレ」が
設置されている防災公園があります。

また、「かまどベンチ」があるところもあって、
普段は、ベンチとして使っていても、
災害の時は座っているところの板を外すと、かまどとして使えるんです。

さらに、「防災公園」の中には、屋根と柱、ベンチという、
ぱっと見、普通の休憩場所が、いざという時は救護所になる仕組みも
あります。ベンチにテントシートが収納されていて、災害の時には、
この休憩場所にシートを張って、けがをした人の救護所ができるんです。
その名も「防災あずまや」と言います。

他にも、停電した時に備えて、公園の明かりが、
ソーラーパネルと蓄電池でもつくようになっている非常用の公園灯が
設置されていたり、公園の入口にある「避難場所表示板」の中に、
蓄電池を使った照明が埋め込まれていて、夜でも、遠くから入口が
分かるようになっていたりというケースもあります。

そして、「防災公園」には、救助活動のために、
大型ヘリコプターの臨時の発着スペースが確保できるところもあり、
このように「防災公園」、災害の時、役立つ施設が色々と整備されて
いるんです。

今朝ご紹介した「防災公園」、どの公園がそれに当たるのかは、
東京都公園協会のホームページで分かります。
いざというときのために、
あなたの家や職場の近くで、どこが「防災公園」になっているのか、
ぜひ一度、確認してみてください。

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