まもなく、東日本大震災の発生から9年が経ちます。
この震災では、関連死も含めた死者は1万9,638人に上り、
行方不明者は2,529人に、今もおよそ4万8,000人の方が
避難生活を続けています。
9年という時間の感じ方は、人それぞれですが、
震災の記憶は少しずつ風化している現実もあります。

そんな中、国土交通省の東北地方整備局などでつくる協議会が、
先日、こんな発表をしました。
「震災伝承施設への登録が合わせて224件になった」というものです。
震災伝承施設、初めて聞く方もいらっしゃるかもしれませんね。
これは、去年3月から正式に始まった制度で、その名の通り、
東日本大震災の被害や教訓などを伝える施設を協議会が中心となって集約し、
紹介することで、次の世代に効果的に受け継ぐというものです。

協議会のHPでは青森、岩手、宮城、福島にある224の施設を
一覧で確認することができます。

どんな施設が登録されているかを見てみると、
有名な所では、岩手県陸前高田市の「奇跡の一本松」。
そして、旧石巻市立大川小学校なども登録されています。
施設の登録は、基本は申し込み制で、
協議会が審査を行った上で正式に認定・登録となります。
随時募集を受け付けていて、この2月までに
岩手県陸前高田市の「東日本大震災津波伝承館」など
32の施設が新たに登録されました。

ちなみに、今回登録された、この伝承館について
協議会のHPでは、施設の写真も交えた概要や住所、地図、
私たちが訪れる際に駐車場やトイレがあるかなども、
分かりやすく載っています。

また、施設の一覧はサイトのマップ上で見ることもできるんですが、
海岸線に沿うように、青森から福島までびっしりとピンが並んでいる
ことがわかります。
そのピンの一つひとつに伝えるべき被害や教訓があることを思うと、
改めて風化させてはならないと感じて頂けるはずです。 

今後、協議会では施設などを「伝承ロード」として結んで、
修学旅行生などがその道を辿ることで
災害への取り組みや教訓を知ってもらう取り組みも進める方針です。

震災伝承施設が伝えるあの日のことと、未来への教訓。
あなたも是非、感じてください。
この番組「防災フロントライン」のHPにリンクも貼っておきます。

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