症状が出ないから感染に気付かず行動し、
ほかの人にうつしてしまうこともあるという新型コロナウイルス。
些細なサインも見逃さず、自分の感染を見つけることは、
感染拡大を防ぐために重要なことです。
「新型コロナウイルスの初期症状と療養場所」についてお伝えします。

東京医科大学・渡航者医療センター 呼吸器内科の医師、増山茂さんに聞きました。

増山医師:新型コロナウイルスの初期症状とは、
熱がある、咳が出る、痰が出る、だるい、筋肉痛がある、というのが代表的な症状です。
武漢の場合、この“軽度の感染者”が81%程度だった。

初発症状は、風邪や季節性インフルエンザと似ているんですね・・・。

現在、新型コロナウイルスの感染拡大に伴って、
東京など感染者が急増している地域の医療機関は、受け入れがひっ迫しています。
医療現場では、緊急事態宣言にかかわらず、
すでに重症の患者を優先して治療する方針になっています。

基本的に、無症状や軽度の患者さんは、自宅療養や
都などが指定した宿泊施設で経過をみる事になっています。

厚生労働省が示した、感染者の療養先の移行に向けたガイドラインでは、
軽症の患者でも重症化するリスクが高い人は、
医療機関で受け入れると示されています。

リスクが高いとされるのは・・・
◎「高齢者」、「妊婦」、「糖尿病や呼吸器疾患などの持病がある人」、
「抗がん剤などを用いて免疫を抑制している人」です。
これに当てはまらない軽症者は、宿泊施設や自宅で療養することになります。

一方、自宅での療養は、まずは専用の個室を確保することが望ましいとされていますが、
できない場合は、同居する人全員がマスクをつけて十分な換気を行うよう求めています。
さらに、療養中の人と1メートル以上の距離を保つことや、
タオルやシーツ、食器などは同じものを使わない、
療養中の人の入浴は家族のいちばん最後に入ることなども大切です。

感染しないことが大切ですが、もし感染した場合の心の備えも必要です。
些細なサインも見逃さずに発見して、
ともかく人にうつさないための行動をとるよう、心がけましょう。


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