少し、前の事ですが
ステイホーム週間となったゴールデンウイーク、
千葉では震度4の地震が2回発生しました。

その後も、
各地で震度3や震度4の地震が散発的に発生しています。

新型コロナウイルスの流行もあり、
「今、大地震が来たら……」と心配になりますよね。

今朝は、改めて「首都圏の地震」についてお伝えします。
地震学に詳しい、
首都圏レジリエンス研究センター長の平田直さんに
“最近、地震は増えているのか”お聞きしました。

平田さん
「緊急地震速報」やテレビで地震のお知らせで
なんとなく増えているように感じるかもしれませんが、
実は気象庁の統計を見ると、
この程度の地震が起きるのは日本では普通の事です。
私の感覚では増えているということはないかなと思っています。

気象庁の統計によれば、
人が揺れを感じるほどのマグニチュード4の地震は、
5月に91回、4月には100回観測されています。
一見多く感じるかもしれませんが、
これまでの50年ほどの平均的な統計では
ひと月に少ないときで70回、多いときで100回くらい、
この範囲に入っていれば特に多い、少ないとは言えないそうなんです。

そもそも日本は地震大国。
世界の1割にあたる地震が日本で起きています。
そんな日本で、“関東・首都圏はどのような場所”と言えるのでしょうか。

平田さん
関東はちょうど太平洋プレートが東から西に沈み込んでいて、
フィリピン海プレートが南東から北西に向かって沈み込んでいる所で、
2つのプレートが沈み込んでいるんです。
2つのプレートの影響を受けるので、
日本の中でも地震活動が活発な所といえます。

今後心配されるのは、「首都直下地震」です。

マグニチュード7と想定される地震が
首都圏で起こる可能性が非常に高いとされています。
マグニチュード7の地震は1995年の阪神淡路大震災、
最近では2016年の熊本地震がマグニチュード7.3を観測しています。

マグニチュード7を超える地震が都心の南部で起きると
2万人以上の方が犠牲になる
60万棟の家が全壊してしまうといわれています。

先月、東京湾を震源とする小さな地震が頻発しました。
同じ場所で地震が続くと大きな地震の予兆なのではないかと
心配になるかもしれませんが、平田先生はこう話しています。

平田さん
今小さな地震が起きていることが、
マグニチュード7ぐらいの地震が起きることに繋がるとは考えていません。
ただし、小さな地震が起きているっていうことは、
その周辺が地震が起きやすい場所であるということは示していますから、
決してGWのときに地震があったから
「いよいよ首都直下地震が来るんだと思う必要はないけれど」
実は首都直下地震というのはいつ来ても不思議はないです。
前兆・予兆であるというふうに思う必要はないが、
でもこれは、私たちが暮らしている関東は
地震が多いんだっていうことを
思い出していただくためには大事な情報だと思います。

小さな地震が起きているから、
それが大きな地震がくる予兆という訳では
ないんですね。

ただ、いつ大きな地震が起きてもおかしくありません。
日頃から、防災に対する知識を身につけましょう!



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