梅雨、台風、局地的な豪雨・・・。
これから秋にかけて、水害の危険に備える必要があります。
最近は、毎年の様に
全国で広範囲に渡る水害が発生していますよね。
水害から、あなたの命、そして、大切な人の命を守るための
知識を様々な角度からお伝えします。

今日は、「治水対策」についてお伝えします。

あなたの記憶にも新しい去年の台風19号による豪雨被害。
堤防の限界と広範囲にわたり大きな被害がでました。

この時、
71の河川の140ヶ所以上の堤防が決壊して、
述べ300以上の河川が氾濫しています。

水害に詳しい、
リバーフロント研究所の土屋信行さんは
地球温暖化と共に更に水害が増える可能性を指摘します。

土屋さん:
地球温暖化によって平均気温が2度くらい上がると
日本の降雨量は約10%、
4度上がると20%から30%増えると言われていまして、
それによる直接的な被害を及ぼす洪水は、
4度上昇すると4倍増えると国連のICPPが警鐘を鳴らしています。

2017年は、九州北部豪雨、18年は西日本豪雨と立て続けに水害が起きています。
また、気象庁も、今後、地球温暖化の影響で、
100年から200年に1度の豪雨の発生頻度が約2倍になると予測をしています。

そこで、急務となるのが治水対策です。
土屋さんは治水対策の問題点についてこう指摘します。

土屋さん:
日本は、全国で109水系に分けて管理をしているんです。
こういう全ての川合わせて、治水対策も含めて、
今後、降ると予測される雨量に対して
安全だと言える治水対策が終わった川は一本もないんです。

今年も、豪雨に見舞われるかもしれません。
そこで、国は、台風19号を教訓に治水対策の転換をしました。
具体的には、新たなダムを作らず、
今あるダムを活用した貯水強化に乗り出しています。

先月4日には全てのダムの有効貯水容量のうち、
水害対策に使う事のできる容量を
これまでの3割から、およそ6割に倍増できたと発表しています。
これは、八ッ場ダム50個分に当たる容量です。

また、
神奈川県の武蔵小杉などの浸水被害が生じた水系では、
新たに3600万立方メートルの容量を確保して
台風19号と同じくらいの台風であれば、浸水の被害を防げるよう対策しています。

最後に、
土屋さんは、今あなたができる事についてこう話します。

土屋さん:
ハザードマップは絶対です。低い所にしか色は塗られていないんです。
ハザードマップをはっきり言って信頼して大丈夫です。科学的に恐れてください。

実際に、
台風19号の被災地長野県や福島県のでは、
浸水地域がほぼハザードマップの
予想通りで、有効性が裏付けられています。

ハザードマップを確認する、
そして水害について、知識を身に着けておく事が、
あなたの命、そして大切な人の命を守る為にできる事に繋がります。


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