先週末から今週にかけて線状降水帯がもたらした記録的な豪雨。
九州各地で甚大な被害と爪痕を残し、
その後、岐阜県や長野県などの地域も大雨に見舞われました。
年々増える大雨・・・・。

水害に詳しい、リバーフロント研究所の土屋信行さんは
線状降水帯がもたらす雨についてこの様に話して下さいました。

土屋さん
線状降水帯っていうのを中心とした
洪水の発生は全国で起こっています。
地球温暖化によって、日本の周辺の海水面温度は、
約100年前に比べて2度から3度上昇していますので、
日本列島が
亜熱帯地域にあるって考えてもいい位地球温暖化が進んでいます。
ますます、前線性の雨、台風による雨も
この様な激しい雨を短時間に降らせる事は
今後、どんどん増えていく事になると思います。

過去にも、
2017年の九州北部豪雨や2018年の西日本豪雨
関東でも、
2015年の関東・東北豪雨では鬼怒川が決壊しています。
今後更に増えるという事は、関東でも起きる可能性があります。
九州で起きた様な線状降水帯が
都心や関東各地で発生した場合
どの様な被害が想定されるのでしょうか?
土屋さんはこう話しています。

土屋さん
都心地域にそんな雨がくれば、
当然河川は川にどれ位流すことができるかという
能力を超えて溢れてしまう事になると思います。
都心部ですと、
人口が集中していて建物が更に密集している。
更に、木造密集地域も沢山あって
そういう所に洪水が起こってしまうと、
家もろとも皆流されてしまうと思います。
更に、
東京の江東区、江戸川区、墨田区、葛飾区は
海抜0メートル地帯が広がっています。
荒川や江戸川が大雨で氾濫した場合、
この地域の大部分が浸水すると予測されています。
最大で5メートルの浸水・・・。
という事は2階まで水に浸かる地域も出てきます。
また、海抜0メートルの為、水が自然には排出されず、
2週間以上は水に浸かるという予想もされているのです。

そこで、重要となるのが“避難”
台風は発生した時から、
気象庁から情報が発表される為心の準備や
避難行動を早めに行う事ができます。
一方で
ゲリラ豪雨や線状降水帯は予測が難しいと言われています。

土屋さんは、
出水期といわれる6月から10月までの間に
前線が発生した場合
ゲリラ豪雨や線状降水帯となる可能性が高いと思って、
心の準備をしてほしいと話します。

土屋さん
ご自分のご自宅にいれば、
隣のうちのマンションにいれていただくとか
職場にいたら、
職場のビルにいた方がいいのか、隣のビルに逃げた方がいいのか
地下鉄乗っていたら、
もしここで大雨が降ってきたら、
早く地上に出ようとか。
この時期については、
安全な場所へ逃げる為にどう行動すべきかを
頭の中で考えて生活していただきたいと思います。

線状降水帯がもたらした豪雨災害。
土屋さんの話にもあった様に、
出水期と言われる
10月までは天気予報をこまめにチェックすることや、
少しの雨でも心構えをする事が重要です。



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