今週、ようやく奄美地方が梅雨明けしましたね。
今年は、関東甲信地方も梅雨明けが遅れるようです。
梅雨が開けた後は台風シーズンがやってきます。

水害が起きた時、新型コロナウイルス以外の
感染症にも注意しなければならない事をご存知でしょうか?
今朝は、
「水害が起きた後に注意すべき感染症」についてお伝えします。

感染症に詳しい、
国立国際医療研究センターの忽那賢志先生にお話を伺いました。

忽那先生
身体が川に浸かってしまった様な・・・
水に浸かってしまった様な方は
「レプトスピラ症」という病気が流行ったりします。
また、災害で怪我をして破傷風になったりとか、
特定の感染症が流行する事があると言われています。
雨の後もそうですが、
避難所で集団生活をする事が
感染症のリスクを高めるという事です。

レプトスピラ症という感染症を
初めて耳にする方も多いのではないでしょうか?

忽那先生
ばい菌の感染症なんですけど、
ネズミのおしっこの中に生息しています。
ネズミのおしっこに汚染された川の水につかる事によって、
皮膚からばい菌が入って感染する病気です。
潜伏期間は3〜14日ほどです。
発熱や腎臓障害、意識障害などの症状が出ます。

2011年、三重県で台風による洪水が起きた際
避難者の中にレプトスピラ症にかかった方もいました。

対策としては、
丈夫な長靴や手袋を着用すること。
なるべく長袖・長ズボンなどで肌の露出を控える事も大切です。

もうひとつは、「レジオネラ症」です。

忽那先生
水のなかにいるばい菌です。
日本だと温泉とか、循環風呂に浸かって発症する事があります。
肺炎を起こす病気ですね。

このレジオネラ症は、
感染から2〜10日で、
発熱・倦怠感・咳・息苦しさ・意識障害などの症状が出ます。

2018年の西日本豪雨の際は、
レジオネラ肺炎にかかった方も多く報告されています。
対策としては、マスクをつける事が重要です。
マスクを2,3枚重ねたり、濡れマスクの利用も効果的です。

最後に怖いのが「破傷風」です。

忽那先生
ケガと動物に噛まれて感染することのある病気で、
筋肉がけいれんしてしまって呼吸ができなくなくなったりします。
普通はワクチンを子供の時に打っている方が多いです。
ただ、
1968年より前に生まれた人は
定期接種として受けていない人も多いので、
注意してもらいたいです。
ボランティアに参加する前に予防接種歴を確認してください。

忽那先生も話していましたが、
破傷風は、
小さなキズや擦り傷など傷口から入り、
感染すると、
命を落とす危険もあるという怖いウイルスです。
新型コロナウイルス以外にも
こんなに怖い感染症が潜んでいるんですね。

日本感染症学会は
「避難所における感染対策マニュアル」を出しています。
こうした感染症対策は、
自分の身を守るということはもちろん、
周りの人を守ることにもつながります。
ぜひ参考にしてみてください。


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