津波防災の日が制定されているこの
11月は“津波”について考えていきます。

津波で避難する時は、「遠く」よりも「高い」場所に避難。
これが、鉄則です。
例えば、津波避難ビルや高台、近くに高い山があれば
上って避難するなど、もし津波が来たとしたら、
避難する頑丈で高い建物は
あるか?事前に確認しておくことが大切です。
東北大学災害科学国際研究所・所長今村文彦先生は、
安全な高い場所で、
この様な場所にも注目して欲しいと話します

今村先生:
避難する場所、なんですけれども、
山に設置された建立された、神社とかお寺ですね。
こちらに移動された方も少なからずおられます。
神社はですね、建立してから、1000年とか歴史が長いんです。
でその間におそらく、過
去様々な災害を経験して、安全な所に移動しているはずなんです。
東日本大震災も1000年に1度と言われているんですけれども、
その過去のものを参考にして建てられた場所は安全な場所だったわけです。


東日本大震災の後で、神社本庁が行った調査によりますと、
被災地にある数百年以上の歴史を持つ神社、約100社のうち、
直接的な災害を受けたのは2社にとどまっています。
実際に、岩手、宮城、福島の各県で
「神社に避難して助かった」という
という声が数多く聞いたと、今村先生は話します。

また、神社やお寺だけでなく
「石碑」から避難や災害について学ぶ事も
できると話してくださいました。

今村先生:
石碑が置いてある場所っていうのはとても大切で、
多くは例えば津波から逃れた場所であったり、
もうちょっと上に置いてありますので、
そこまでいけば安全だという目安になりますよね。
そういう場所も教えてくれるという事で
大きな役割をもっていると思います。
ただ、
隠れた場所、普段確認できない場所にあるので、
ぜひ地域の皆さんで
探していただくと過去どんな災害があるかっていう事も学べます。

日本の沿岸部は過去の歴史の中で津波被害を受けてきました。
地域の氏神として住民を見守り続けてきた神社は
災害の時の避難所として機能しました。神社は地元の人に身近な
津波防災の知恵を伝えてきたのでね。
沿岸部にお住いの方は、改めて近所の神社を見直してみてくださいね。

最後に、今村先生は、この11月は津波について考えて欲しいと話します。

今村先生:
被害を及ぼす津波っていうのは、めったになくて、
当時の経験とか当時の大切な教訓は薄れがちになってしまいますよね。
11月は津波防災を考える期間だと思っていますので、
津波に備えるって事は、実は他の災害に役立つこともありますし
また、洪水などほかの災害で備えている事は一部津波にも役立つはずなんです。

地震に備える、津波に備える、水害備える、この「備えは」
災害の備えとして繋がっています。
共通する備えや準備は沢山あります。
津波防災の日が制定されている
11月に津波の時の防災について考えて、
それがどの災害の備えと繋がっているかを
考えてみるのも良いですね。







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