来年の3月11日で東日本大震災から10年となります。

震災の記憶、あなたはどのくらい頭に残っていますか?

今朝は、関東に住んでいる私たちも聞く事ができる、
「災害語り部講話プログラム」についてお伝えします。

この講話プログラムは、
宮城県南三陸町観光協会が開催していて、
震災発生後の翌月から始まりました。

当初は、南三陸町でガイドをされていた被災者が中心でしたが
今では、若い人も語り部として参加しています。

もともとは、
語り部が町内を案内するツアーの中に
講話プログラムが盛り込まれていましたが、
新型コロナウイルスの状況下で参加できる人が限られてしまう為
オンラインの語り部講話プログラムを8月からはじめたそうです。

オンラインであれば、
全国どこでも受ける事ができますもんね。

講話プログラムの内容について、
南三陸町観光協会の内木渡さんに、お話しを伺いました。

内木さん:
オンラインとなりますと、
遠くからご覧になる方が多くなります。
まずは、
地図をもちいまして、街の位置関係から説明しています。
それ以外は、スライドを持ちいて、
震災当時どのような状況であったかとか
このような形で復興してきていますとう事を画像を見せながら解説します。
全員被災体験されていますので、
当時の体験談やそこで得た教訓をお話をしています。

地図で位置情報から説明をしてくれると想像も付きやすいですよね。

震災復興の様子は、
現地に行かないとわからないと思っていましたが、
南三陸町に行けなくても、
被災した状況や復興が進むまでの歩みを写真などで見られるので、
解説を聞きながら理解が深まりますよね。

さて、解説・説明をしてくれる語り部さんは、
みなさん東日本大震災の被災者。
これまで、
被災した経験から防災に対しての知識や教訓を教えてきました。
その中で、
被災した経験から“防災の意識として心掛けてほしい事”について
この様な事を伝えているそうです。

内木さん:
一杯の水を持っているだけでも何日間かの命を繋ぐ事ができます。
どこか移動する際には、必ずペットボトルで水を持っていく
物資の必要性について。
あと、実際に波が来たときには、
遠くに逃げても間に合わなくなってしまうので
高い所に逃げるようにという事を教訓に伝えています。

外出する際は、必ずペットボトル1本バッグにいれる!ですね。
また、こんなお話も・・・・。

内木さん:
今自分の住んでいる家の写真とか
その近所の周辺写真など
なんてことのない日常の写真なんですけれども、
そういったものは
是非撮ったほうがいいですよとお伝えています。


東日本大震災の際、
南三陸町の沿岸部地域の住宅やその他建物は
ほぼ全壊しています。

その後その地域は10数メートル盛り土され、現在は
町の面影すら残っておらず、何がどこにあったかもわかりません。

生活基盤が再建し、
ふとした時に震災前の自分の生まれ育った家や
周辺地域を思い出したくなっても、
津波で写真が流されている為、見る事ができません。
皆さん、
何気ない風景を写真に撮り残さなかったことを
後悔しているそうです。
 
こうした理由から語り部さんたちは
大きな災害が起こる前に、
携帯のデータでも構わないので
手元に見慣れた風景の写真を残すことを進めているという事ですよ。

今日ご紹介した「災害語り部講話プログラム」
所要時間は1時間。
金額は 税込み1万6500円です。
希望日の3日前までに予約が必要です。
参加人数が多い場合は事前に問い合わせをしてみてください。
詳しくは南三陸町観光協会のHP 
電話番号 0226―47−2550です。

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