きょうも、先週に引き続き、
国際災害レスキューナースの辻直美さんにお話を伺います。

感染症が発生しやすい被災地で長年活動されてきた辻さん。

いま新型コロナウイルス感染が拡大している中での、
「災害避難所について」いままでとどう違うのか、
そして、どういった物が必要なのかを聞きました。

辻さん:
避難所に対して、感染対策というのは、もともとコロナ以前から行っています。
しかし、
いまはコロナ対策で1番大きなポイントは、避難所の収容人数が縮小されていることです。
100人入っていたところが30人ぐらいになっている。
ということは自分が避難所に行ったからといって入れるとは限りません。
あと、物を人とやりとりはしないことが原則になったので、
自分で持ってきた持ち込みのものだけで生活することになります。
常備薬、眼鏡、コンタクト、入れ歯、
補聴器みたいな自分に合わせて必要なものはこれは救援物資では来ないです。
これだけは絶対自分で用意してください。

このコロナの状況で、避難所の中では、
ソーシャルディスタンスを保つために2m近く離して、
パーテーションを付けて生活することになります。

そうなると、
人と人との会話が生まれず心の距離も離れていきます。
心が孤独になってしまう…。
そんなときに、
避難所に持っていくものとして、
こんなものも大切だと辻さんは話しています。

辻さん:
心を癒すグッズを入れておいてほしいですね。
3秒・3分・30分で心が上がる物を用意してくださいってよく言っています。

3秒っていうのは
嗅覚、香りです。自分の好きなにおいを何か用意してください。

3分は触覚。触れるものです。
お気に入りのタオルだったり、
子供だったら、
好きなぬいぐるみとかおもちゃとかそういう触って落ち着くもの。

30分は、視覚です。
ただスマホを見るというのはバッテリー使っちゃうので、
アナログのもので見て楽しめるものを用意してください。

避難所は、自宅とは違い、気を遣ったり不安が続いたりして
どうしても心が疲れてきます。
心の健康をまもることも、避難所生活では重要です。

辻さん:
災害が起きるということは、
言葉は乱暴ですが本番ですよね発表会みたいなものです。
なのでその発表会までに、どれだけ準備して練習するかだと思うんです。
いまのうち、なにもないうちにいろんなことを練習しておくことが大事。
例えば、きょうは午後からは水は3リットルの水だけですごしてみようとか、
きょうは買い物に行かないでごはん作ってみようとか、
そういうチャレンジを
ちょっとずつ1日とか半日ずつやって、自信をつけてほしいなと思います。

災害時を想像するだけでも、立派な防災対策です。
12月に入ってから感染拡大が止まらない今、
災害が起きたらどう行動するか?備蓄は大丈夫か?
再確認してください。

そんなあなたの強い味方になってくれる本。
辻直美さんの「新型コロナ×防災マニュアル」は
新型コロナウイルス対策やコロナ禍での災害について
わかりやすくまとまっています。

是非、店頭で手に取ってみてください。

防災フロントライン、手島千尋でした。


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