10年前の東日本大震災で、
東京都内では多くの街で帰宅困難者があふれました。

首都直下地震が発生した場合には、
この時より多い最大490万人の帰宅困難者が発生すると言われています。
地震が起きた時、
内閣府は混乱や危険を避けるため
「無理に帰宅するのではなく、その場にとどまることも大切」と
呼び掛けています。
そうした中、
東日本大震災以降、帰宅困難者に対する対策を強化する企業が増えています。

その企業の1つが、
六本木ヒルズなどを運営する森ビルです。
建物の被災状況を即座に推測できるシステムを独自に開発するなど、
都市防災力の向上を進めています。

実は、森ビルでは、
避難者を受け入れる為に備蓄倉庫も備えているんです。
森ビル広報室の滝川みりさんはこう説明します。

滝川さん
「備蓄倉庫を備えています。
大体森ビル全体で、約28万食の食料、
そのうち、六本木ヒルズでは、約10万食の食料を備えていて
その時、安心して過ごせるようなアルミブランケットだったり
とか医薬品も備蓄しています。
コロナの感染症対策のものでは消毒液やマスク
あとは、
受け入れる時に社員が着る防護服やフェイスガードも、
2020年夏から導入を開始しています」

非常食は
1日あたり約1,600〜1,700Kcalの栄養が確保できるよう備えられています。
また、
災害による停電に備えて、
都市ガスを利用した自家発電プラントが整備されていて、
およそ1万世帯分に当たる1日平均27万キロワットの電気供給が
可能となっています。

“帰宅困難者”受け入れについては、自治体と対策も進めています。
滝川さん:
「帰宅困難者の受け入れ大切においては、
当社の方で区の方と受け入れるっていう協定を締結していて、
六本木ヒルズや虎ノ門ヒルズで合わせて5施設全体で
約1万人の帰宅困難者の方を受け入れる体制を整えています。
東日本大震災の時も、
港区から六本木ヒルズの方に
帰宅困難者を200名受け入れて欲しいというお声がかかりました。
その時も、受け入れる意思表明をしました」

東日本大震災の時も、帰宅困難者を受け入れていたんですね。
当時も、
防災備蓄品から約1500人分の飲み物と非常食などを配布したそうです。
災害はいつ襲ってくるかわかりません。
森ビルは、“逃げ込める街”を目指して防災の取り組みを進めています。
安全にとどまる事ができる場が都心の真ん中にあるのは、
心の安心へと続ながりますね。
自分の住んでいる街だけでなく、
よくお出かけする街の防災拠点の事も知っておきましょう。 



音声ファイルはこちら